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個人主義から“自分らしさ”へ―福沢輸吉・高山樗牛・和辻哲郎の「近代」体験

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  • サイズ A5判/ページ数 272p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784861631412
  • NDC分類 121.6
  • Cコード C3010

内容説明

“自分らしさ”は共有できるのか?「近代」日本思想史像構築の新たな試み。

目次

はじめに―個人主義から“自分らしさ”へ
序章 “日本近代”の終わりの始まり
第1章 福沢諭吉とロシアの近代化
第2章 高山樗牛とイギリス自由主義
第3章 高山樗牛とドイツ世紀末
第4章 和辻哲郎とロシア革命
第5章 和辻哲郎とマルクス主義の時代
終章 “自分らしさ”の思想史
補論 思想史の方法論をめぐって

著者等紹介

先崎彰容[センザキアキナカ]
1975年生まれ。東京大学文学部倫理学科卒業。東北大学大学院文学研究科日本思想史博士課程単位取得修了、文学博士。その間、文部科学省政府給費(日仏共同博士課程)留学生として、フランス国社会科学高等研究院(EHESS)に留学する(専攻:国際日本学)。現在、東日本国際大学准教授。埼玉大学・宇都宮大学非常勤講師。専攻:近代日本思想史・日本倫理思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

軍縮地球市民shinshin

5
著者の専門は日本思想史。高山樗牛という明治のなかば忘れられた思想家に焦点を当てているので興味深かった。最後の「補論 思想史の方法をめぐって」が当たり前のことなのだが非常に重要なことを指摘している。著者曰く現代の感覚で、過去の思想家のテクストを読解してはいけない。価値観がまったく違う時代に書かれた文章を読み解くのは、当時の価値観や時代状況を勘案しなければならない。それを怠ると過去は「暗黒時代」だとレッテルを貼ったり、一人の思想家を過大に「評価」してしまうことにつながるのだ。2015/03/03

大尉

2
近代以来、現状打破のために本当に多くの思想主義が現れた。キリスト教、科学に基づいた自然主義、帝国主義を批判するマルクス主義等なぜ爆発的な流行を見せたのか、それを人心の支柱の空虚性から説明する。これまで名目的に良いように飾られてきたその実情を本書は暴いている。繕った理論に縋ってもすぐに別の現実や世界が出現する。結局いかなる思想も現状を救えなかった。大きな現実に収まりきらず、世界規模で理論は次々崩壊していく。この板挟みは近代に限定されない。本書に答えはない。喪失感を埋める手法は未だ投げ出されたままである。2015/01/08

トックン

0
丸山史観を<自分らしさ>をキーワードに再構築する。丸山は「近代的思惟」を元に思想史を語るが、それを下支えする<自分らしさ>こそが現代に欠けているとする氏は福澤の「帝室、宗教」、樗牛の文学=詩、和辻の「日本文化」をいわば「戮力」(不正を正すパワー)として提示する。或思想家を近代主義or反近代とする「極端主義」の不安に陥ることなく健全な自分らしさ=ナショナリズムを模索する(グローバルに展開する帝国主義時代に樗牛が元禄期の近松に見出したように)。自分らしさは「共同態」(和辻)に宿るのが鍵。2017/06/14

渓流

0
硬派すぎる、ドクター論文の焼き直しだからしかたないが。彼の啓発書を読んでみたい。2016/06/29

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