内容説明
森のなかの妖精といわれる細胞性粘菌。それは自然界のなかで力強くそしてしなやかに生きている。この粘菌はまた、さまざまな生命現象を解明する上で研究材料としてのメリットを実に沢山もっており、まさにパワフルな存在である。本書では、このモデル生物そのものがもつ面白さや、これまでの研究で明らかにされた科学的成果とその問題点を、著者が長年にわたる研究生活のなかで体験したエピソードを交えながら紹介する。
目次
1 はじめに
2 細胞性粘菌の多彩な生存戦略
3 粘菌が研究対象として重宝がられる理由
4 単細胞から多細胞へ
5 細胞分化のはじまり
6 分化パターンの形成機構
7 新たな生命活動の再開:発芽
8 ミトコンドリアの意外な側面
発生制御面での多面的機能
9 むすび
10 参考書・映画・ビデオ
著者等紹介
前田靖男[マエダヤスオ]
1942年12月12日、名古屋市に生まれる。1961年3月愛知県立明和高等学校卒業、4月名古屋大学理学部入学。1965年3月同生物学科卒業、4月大阪大学大学院理学研究科生理学専攻修士課程入学。1967年3月同課程修了(大阪大学理学修士)、4月同博士課程入学。1967年9月同課程中退、10月京都大学理学部助手。1971年1月理学博士(京都大学)。1976年9月スイス・バーゼル大学Biozentrum研究所客員研究員(1977年3月まで)。1982年8月東北大学理学部助教授。1992年10月東北大学理学部教授。1995年4月東北大学大学院理学研究科教授。2001年4月東北大学大学院生命科学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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