内容説明
常陸国風土記は、江戸時代初期、一七世紀中頃、加賀前田家にあった写本が、水戸家に貸し出され、その写本が彰考館本として世に出たものである。しかし、彰考館本は昭和二〇年八月戦火で焼失し、前田家本も散逸し現存しない。彰考館目録には、四冊の風土記写本が載る。その中に、「風土記残篇 冊数二」があり、その二冊は延宝と宝暦の奥書があるものと、奥書がないものである。この奥書がない方が原写本で、他が複写と考えられる。この原写本を「本書のまま写せる」ものが菅政友本であるという。本書はその「菅政友本」(文久二年、1862)に基づいた『常陸国風土記』テキスト復元を試みる。
目次
零 総記
1 新治郡
2 筑波郡
3 信太郡
4 茨城郡
5 行方郡
6 香島郡
7 那賀郡
8 久慈郡
9 多珂郡
10 『県史』に載る奥書等
著者等紹介
増田寧[マスダヤスシ]
昭和16(1941)年2月東京都生まれ。昭和39年東京教育大学文学部史学科東洋史学卒業。同年埼玉県立高等学校教員。県立川越高等学校13年をはじめとし、教諭三校21年、教頭三校7年、校長三校9年、勤務。37年間、職務に専念。平成13(2001)年3月県立所沢西高等学校をもって、定年退職。同年4月北海道中札内村寓居に単身移住、晴耕雨読。川越旧宅と年数回往来。平成30年、川越にもどる。風土記研究会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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