内容説明
江戸の街の真っ昼間、三千両の小判が馬の背で砂利に化けた。江島屋が大黒屋に送った破格の結納金三千両。馬の前後に三人も付き添っていながらの椿事に、纏まりかけた縁談も滅茶滅茶。このままでは、大黒屋の主人は首でも縊りかねない。三千両はどこで誰が入れ替えたのか…。表題作「結納の行方」など十編を収録。
著者等紹介
野村胡堂[ノムラコドウ]
明治15‐昭和38年(1882‐1963年)。小説家、音楽評論家。岩手県生まれ。盛岡中学から、一高、東京帝大法科と進むが、父の死により中退。明治45年、報知新聞社に入社、政治部記者になる。そのかたわら文筆活動を行い、長篇時代小説を新聞・雑誌に連載、また、“あらえびす”のペンネームで多くの音楽評論にも活躍した
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちくわん
11
1938年の本。これで6巻目。最後の「富籖政談」は、どこかで読んだ気がする。2021/02/16
KAZOO
11
第6巻には十の話が収められています。表題作をはじめとして江戸情緒がうまく書かれて庶民受けしたのだと思います。半七はどちらかというと謎解きに重点を置き、この銭形平次は人情に重きを置いている感じがします。2014/08/04
へたれのけい
3
岩手の文学者では啄木、賢治が有名ですが、銭形平次を忘れちゃいけないね!2020/06/19
アルゴン
1
★★★★ 話のバリエーションが非常に広いことに改めて感嘆。最後は無事解決すると分かってはいても、こう展開が読めないとハラハラします。2012/11/13
ロックイ
0
気軽に一気読みしましたが「八五郎の恋」だけは居住まい正して気負い気味に読みました。八五郎がどんな恋をするのかと口角を上げずにはいられませんでしたが、なんとなく有耶無耶な感じで流されたので肩透かしをくらったような…まあ湿っぽいのと婀娜っぽい話には縁がないガラッ八ですから、この幕切れもありですかね。2015/06/25