内容説明
ソール・ライター(1923~2013)は、89歳で亡くなる直前まで、毎日写真を撮り、絵を描き、膨大な数の作品を遺した。彼のインスピレーションの源はマンハッタン東10丁目の自宅アパートのわずか数ブロック内であり、ありふれた場所に美を見出す天才として、ニューヨークの街をカラーで切り取った世界観は、今日広く注目を集めている。その一方、1960~70年代、『Harper’s Bazaar』でのファッション写真家としての活動、モノクロの景色、“親密なポートレート”のヌード、ヌード写真にペイントを施した作品などは、彼の生前に世に出ることはほとんどなかった。本書は、ライター生誕100年を記念して、ソール・ライター財団が管理する膨大なアーカイブをもとに、未発表作品、コンタクトシート、人生をたどる写真付き年譜など、貴重資料を駆使しながら、ソール・ライターの表現の多様性と思索の源泉、その全貌に迫る決定版作品集である。
目次
1 Beginnings
ソール・ライターの知られざる世界―アダム・ハリソン・レヴィ(作家・インタビュアー)
2 On the Street
閉じられた世界 奇才ソール・ライターを知る鍵―マイケル・グリーンバーグ(作家)
3 Fashion
雨粒に濡れた窓 ソール・ライターのファッション写真―ルー・ストッパード(作家・キュレーター)
4 Paintings
小さく描いて大きく満ちる―平松麻(画家)
5 Intimate Views
秘密を守る―マーギット・アーブ(ソール・ライター財団ディレクター)