感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
fwhd8325
51
アールデコの時代が好きで、やっぱり手にしてしまいました。この時代、なんとも伸びやかな空気を感じます。自由とは違う鷹揚さを感じます。広告と言っても、今の時代とは違って、どのように引きつけるか、見てもらうか、その努力がこうしたデザインなどに象徴されているのだと思います。女性に美しくいてほしいと思う気持ちは、男性も強く願うものなのです。2022/03/20
みつ
9
化粧品会社「中山太陽堂」の、明治の終わり近くから昭和初期のポスターとパッケージ、子会社「プラトン社」の発行した文芸雑誌『女性』(1922年〜終刊の記載は見出せず)と娯楽雑誌『苦楽』(1924年〜1928年休刊)の扉絵と挿絵を掲載。ほとんどが女性を描いたものであり、1913年の美人画風ポスターから、より親しみやすい顔立ちへ、さらにはデザイン面に工夫を凝らしたものに変化していく。山六郎のビアズリー風の画が特に魅力的。不況と戦争が社会を覆うまでの極く短い、戦前の華やかなりし頃(それもおそらく大都市だけ)の記憶。2021/09/16
チョビ
4
プラトン社で働く面々の漫画を読んで以来、名前だけは知っていた。大阪の化粧品会社クラブコスメティックの出版部というところ?が出していたポスターや本の紹介。正直大阪近辺が販路だったんだろうな、というくらい弱小、だからこその自由感は「大大阪」を牽引する要素でもあったんだろうな。ただ私はここの化粧品はどっちかというと京阪神の訪問販売のイメージが強いが、全国区、なんですかね?ど、どう?いい化粧品?実はプラトン社の美術品は本社でも一般公開しているらしいが、全然見に行けない。行きたいなー!と思わせる本。2022/02/22
marua
2
まずレタリングの美しさにうっとり(ついでにいうと広告が載ってたアサヒグラフのレタリングも麗しすぎる)。画風は山六郎氏が好みだが、どのイラストもかわいくて雑誌の統一感を損なわないクオリティの高さがある。いやしかし化粧品会社の広告誌とは思えない作家陣の豪華さ。「痴人の愛」の引越し先が「女性」だとは知らなかった。並みいるお歴々の中で一番刺さったのはメイ牛山。マツコに見せたいw それにしても、モダンガールという言葉を初めて世に出した論文は噴飯ものであった。まあ、昔のジェンダー論というのはそうしたものではあるが。2022/10/28
三井寿里
2
祖母が使っていたホルモンクリームなどが懐かしく、載っているかなと思いましたが、ホルモンクリームは年表で名前しか見られませんでした。クラブ化粧品のメーカー中山太陽堂と同社が立ち上げた出版社プラトン社のデザインを集めた一冊です。今見てもオシャレですね。2022/02/26