内容説明
日本を、世界を、タイルをたずねて歩きに歩いた建築探訪！大阪歴史博物館の学芸員、（故）酒井一光氏が、業界誌「タイルの本」に約９年間にわたり連載した『新タイル建築探訪』全８７回を収録。大阪、神戸はもちろん、常滑、倉敷、下関から、ロンドン、バルセロナ、上海まで、タイルがあればどこまでも。
目次
大阪倶楽部
名古屋市市政資料館
用賀プロムナード「いらかみち」
三田学園第一寮
日本銀行本店本館
三鷹市山本有三記念館
火防陶器神社
天鏡閣
野上本館喜久泉・光壽泉
大阪市中央公会堂
旧下関英国領事館〔ほか〕
著者等紹介
酒井一光［サカイカズミツ］
１９６８年東京生まれ。東京理科大学卒業、東京大学大学院建築学専攻博士課程中退。１９９６年大阪市立博物館（当時）、２０１３年大阪歴史博物館主任学芸員。日本では数少ない建築を専門とする学芸員として、特に大阪の近現代建築などの調査・研究に精力的に取り組み、煉瓦やタイルなど、図面や模型だけではない、建築部材を用いた建築展示のあり方を探求した。２０１８年没（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kumako
11
煉瓦とタイルの違いも分かっていなかった初心者としては、タイルを砕いてから繋ぎ合わせる“トレンカディス”が何故隙間なく綺麗にはまるのか不思議なので（“砕く“と表現しつつ、実際は“切る“のかな?）製造工程を知りたい。名古屋市役所本庁、内も外もすべてタイル張りという豪華さに驚く。ロンドン建築の赤レンガ建築で、白い花崗岩（？）の模様があるのとないのと写真を見比べ、印象が大きく変わる事を知り驚く。西宮市・浦邸の煉瓦の積み方が斬新!2021/08/08
遠い日
10
『スキマワラシ』を読んだ直後にこの本が手元に届くということに、多少の因縁を感じつつ。高級タイルではないが。タイル使いの水場や流しは、ごく庶民的な昭和の家にはどこでもあった。小さな四角い色タイルや、楕円のタイルをランダムにはめ込んだもの、目地が汚くなったらタワシでゴシゴシ。そんなことを思い出しつつ、こちらは名建築のすばらしく美しいタイルたち。訪れたことのある建築もいくつかありました。2020/10/01
ツキノ
8
さらっと読み。いずれ精読したい。大阪歴史博物館の近現代建築専門の学芸員で2018年に49歳で亡くなった酒井一光さんが業界誌「タイルの本」に連載していたものを遺稿集刊行委員会がまとめ、クラウドファンディングで資金を集め刊行。タイルや建物の魅力以上に、著者や本ができた経緯に惹かれる。建築を学ぶ長男もこの本欲しい」と申しておりました。子どもの頃、神保町の古書店でなぜか売っていたタイルに惹かれ買っていたのでした。どこかに仕舞い込んでいるから探さなきゃ！2020/09/09
アメヲトコ
8
著者遺稿集の2冊目で、2007年から16年まで『タイルの本』誌に87回にわたって連載された記事をまとめたもの（なぜか本書でのナンバリングは00番から）。タイルから建築を見るという独特の視点で、日本各地、さらには上海・バルセロナ・ロンドンまでも足を伸ばしています。日下部民藝館のタイル、気づいていなかったな。上海から帰国した著者が、日本のマンション建築の外装タイルが都市景観に果たしている役割を改めて評価するくだり、タイルへの愛情が窺えます。2020/07/02
mamaboo
7
ひさしぶりに建築の本を買った。。亡くなった学芸員さんの足跡をまとめた3冊の本のひとつ。2020/08/30
