内容説明
京都ゆかりの画家たちが描いた女性美の変遷。江戸後期から昭和まで名品約140点を収録。
目次
1 美人画誕生―美人絵から美人画へ
2 京都に咲く―文学・謡曲に生きる女性たち
3 社会化される女性像と生命化される女性像
4 少女礼讃
5 日常生活の中の女性たち
6 モダニズムに描かれる女性たち
7 女性像とフォルム―裸婦像と母子像
8 京の女―舞妓や大原女を描く
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遠い日
8
子どもの一人が美人画が好きでよく市美(京都市美術館)へ通っていたことで、話を聞いたり、画集を見せられたり、パンフレットを覗いたり、けっこう間接的に親しんできた。こうして100年の流れで見ると、人形のような美しさを愛でることから、社会的な女性の立場が変わるにつれ、美人画の描かれ方もぐいぐい変化してきていることが一目瞭然。血の通った女性の生き生きとした姿、力ある目、暮らしの中の感情の動きなど、さまざま読みとれておもしろい。2017/02/09
秋津
3
にわか美人画ファン、京都市美術館の名品を観る(図録で)。「美人画」なるものは目鼻立ちの良い女性を選んで和紙に固定するだけのものではなく、女性の着物の、化粧の、光景の、そして彼女らや作者の生きた時代の中に在る「変わらぬもの」(はじめに)を見出だす営みの結晶であると本書を読んで感じた。(賛否がある作品だろうと感じたが)人物が描かれていない金島桂華「画室の客」は特にそのことについて感じるとともに、本書の編者も意識してこの作品を選んだのではないかと。2020/01/28
-
- 和書
- 無影燈 〈上〉 文春文庫