内容説明
1960~70年代に巻き起こり、子どもたちを熱狂させた「オカルトブーム」。本書では、当時さまざまな子ども向けメディアに掲載された小松崎茂、石原豪人をはじめとするイラストの巨匠たちが描いた“怪奇画”を「心霊」「秘境」「異形」「残酷」「狂気」の5つの項目に分けてご紹介いたします。当時“怪奇画”は、少年少女たちに人気の定番コンテンツでしたが、雑誌の大量消費とともに破棄され、そのほとんどは読者の記憶の中だけで生き続けてきました。あの頃の“ドキドキ”とともに蘇る、奇々怪々の想像遺産の数々をお楽しみ下さい。
著者等紹介
初見健一[ハツミケンイチ]
1967年、東京都渋谷区生まれ。主に1960~70年代のキッズカルチャーについての話題など、レトロな戯れ言をネタに活動中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kinkin
85
1960年から1970年代の少年向け雑誌に掲載された巻頭グラビアをまとめて紹介した本、リアルタイムでワクワクしながら読んでいたので懐かしかった。心霊、異形、残酷、狂気、秘境5つの項目に分けてイラストと共に解説されている。イラストのデフォルメが強いので読み手にあたえるインパクトが大きい・なんでもネットの時代にあふれる情報よりある意味怖い。残念なのは原本からスキャンニングして判を小さくしているので読めないハズキルーペでないと字が小さくて読めない!!のだ。2019/07/14
Bugsy Malone
57
かつての少年誌に掲載されていた『怪奇画』を「心霊」「秘境」「異形」「残酷」「狂気」の項目に分けてまとめた本。子供の頃に読んだ覚えがあり懐かしさ感じると共に、そのトンデモなさやグロさに改めて虜になってしまった。驚いたのは「ゴジラ」の原作者、香山滋さんや小栗虫太郎さんの小説を題材にしたものや、「怪獣解剖図鑑」や「妖怪大図鑑」の絵師、南村喬之さんの画が多かった事。文庫サイズとはいえ、貴重な資料として永久保存版とします。2015/12/27
おおにし
21
あったあった!確かに少年漫画雑誌にはこういう怪奇特集がありました。よく覚えていませんが、ここに収録されている作品の中にはリアルタイムで見ていたものがあるかもしれません。当時は一度見るとずっと夢に出てきそうなほど怖かったですが、今見ると写真とは異なるリアルな恐ろしさと、どこかほのぼのとした雰囲気が混在していてなかなか味わい深いです。2014/10/04
ホークス
20
1960〜70年代の「怪奇系児童書」に載っていた怪しい絵と解説を集めた本。この古臭い、 ショボい、グロい、大袈裟な子供騙しの絵物語的世界に魅せられた40年前を思い出した。改めて見ると、内容はともかく形式や見せ方が、まるっきり戦前の価値観だ。中には今出版して大丈夫なのか?と心配なものもあり、誠に懐かしかった。楽しいひとときを過ごす事が出来た。2014/10/06
砂糖と塩
19
60年代から70年代の子供向け雑誌で扱われた、いかがわしいネタを、ジャンル別に集めてます。出まかせと史実がゴッチャだしや、人肉食とかの今じゃアウトなネタも多々ありますが、子供って割と残酷趣味を持ってたりしますからねぇ。石田光成は骸骨怪人と化すし、ドリトル先生も完全にマッドサイエンティスト状態。正直、世代的に自分はややズレてるんですが、児童館の図書室で似た本を読み漁った記憶があります。なので、見世物小屋のような仰々しい挿し絵にも、やたらと心躍りました。水木しげる先生も色々描いてたのにはビックリ。2014/11/02