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内容説明
19世紀に西欧を怒涛のごとく巻き込んだジャポニズム―その波頭こそ、江戸末期から明治にかけて出版された絵手本『北斎漫画』だった。描きも描いたり、葛飾北斎の「すべて」といって申し分のない主題、モチーフ、描法が詰まった、全15編、総ページ970、およそ4000カット。本シリーズは原本を人物に風俗(第1巻)、自然描写(第2巻)、想像の世界(第3巻)とテーマ別に完全収録したリメイク版。クールジャパンの代名詞、いまや世界言語となった「MANGA」の原点がここにある。
目次
序 北斎に学ぶ
第1章 人物絵鑑
第2章 日常茶飯
第3章 動態活写
第4章 百具百景
第5章 北斎漫画を読む
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まふ
100
北斎のベストセラー「北斎漫画」全15巻(1814~1878)のピックップ版全3巻の第1巻目。「人物絵鑑」「日常茶飯」「動態活写「百具百景」に分けて江戸市民のほぼあらゆる人物、職業の姿とポーズ、表情を自由奔放なマンガ、スケッチ、想像画等で書きまくる。見るほどに面白く、何度も見返す。西欧におけるジャポニズムの契機となった重要作品であり、楽しく飽きない。浮世絵「富士山」「波」も素晴らしいが漫画こそ彼の真骨頂であると思う。第2巻「森羅万象」第3巻「奇想天外」も楽しみだ。2023/07/02
藤月はな(灯れ松明の火)
79
庶民の生活や道具の使い方を描きながらも絵のお手本帖でもあった北斎漫画。当時の江戸時代では一巻完結の予定を覆し、15巻も続いた大ベストセラーだったそうな。崩し文字は読めなかったものが多かったけど、絵がそれを補ってくれるので大丈夫!何より、一筆描きで書いたかのような人間像が凄すぎる!本当に息をするように絵を描き続けた人だったんだな、北斎って。また、北斎の絵を見ると自然と脳内でアテレコが流れるのが不思議でもあり、同時に楽しくもあり。鳥居の様式も多様なのも初めて知りました。ありふれたものでも好奇心と観察って大事。2020/10/08
greenish 🌿
61
描きも描いたり!970頁、およそ4000画。葛飾北斎の全てが詰まった絵手本三部作。第1巻《江戸百態》 ---江戸時代の「漫画」とは「漫然と描く=筆のおもむくままに描く」という意味だそう。葛飾北斎と言えば、「富嶽三十六景」のダイナミックな浮世絵を思い浮かべますが、そうした大作を描くための幹にもなった絵手本。江戸の人々の姿や暮らしぶり、風景や道具。ありとあらゆるモノを描ききった北斎さん、天晴れです! ちょっとした動作でも、筋肉の動きがありありと伝わるし、長屋の人々の笑い声までが聴こえてきそうです。2014/07/06
Ayumi Katayama
23
先日の読書で『北斎漫画』なるものがあるのを知ったが、図書館で見つけた。変な顔妙な姿態変わった情景。江戸時代、庶民の生活を写し取ったのが北斎漫画だ。大小二本の刀を差した侍が厠にいる絵。厠に相合い傘の落書きがあるのがおかしい。北斎とは、改名すること三〇回、転居九十三回におよぶそうだ。流派様式伝統どれにも縛られることなく描き続けた画業七〇年。北斎漫画とは「北斎の持っていた引き出しの何もかもが視られるもの」であり「北斎が目にしたものすべてと言っていい、江戸時代の風俗を余すところなく知る手だてでもある」のだそうだ。2019/11/16
白黒豆黄昏ぞんび
12
夥しい数の絵(イラスト?)です。人物画は今にも動きだしそうな躍動感があって、江戸の庶民の生活が活き活きと伝わってきます。表情も面白い。人から道具、風景や建物など、なんでも描ける人だったんだなあ。見てて楽しくなる。2013/05/16