Daria bunko<br> 琥珀色のなみだ―子狐の恋

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Daria bunko
琥珀色のなみだ―子狐の恋

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  • サイズ 文庫判/ページ数 254p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784861346156
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

都から逃れ、人を避けて暮らしていた鐵は、子狐を拾い琥珀と名付け育てる。無邪気に懐いてくる琥珀に、忘れかけていた愛情を取り戻していく鐵。だがある朝、琥珀は人の姿へと変化し、里人から狐神と奉られるようになる。自分には神の力の片鱗もないと落ち込む琥珀を鐵は慈しみ、やがて琥珀も鐵の孤独と優しさに恋心を抱いていった。そんな時、狐神の噂を聞きつけた帝が兵を放ち―。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

那義乱丸

46
フェアで購入。とても良いお話だった!冒頭での帝の存在が読み手の心に影を落とすも中盤まではほのぼの。小さな狐神である琥珀が純粋無垢で可愛くてたまらない。村人たちから神と崇められつつも子ども扱いされているのが微笑ましくて心が温まる。琥珀を慈しみ育てていく中で鐵の心の澱が浄化されていくのもいい。でも、鐵が、琥珀が、雷鳴が、お互いを護るため動き出す終盤には涙が溢れた。BLお約束的描写がなく終始ピュアな愛を貫いているのも世界観に合ってて良かった。そして何よりエンディングが格別!光を感じる余韻がじわりと胸に沁み入る。2014/05/06

このん

37
引き込まれてとても面白かった。狐神様の琥珀と、都を追われ逃げのびた里の山奥で暮らす鐵。鐵が神域の川に流れて来た獣を拾い上げ連れ帰ったのが、後の琥珀と名付けられる狐だった。やがて人型になった琥珀は鐵にしか懐かない。狐神様だから急にボンボンと成長する琥珀。そんな琥珀は鐵が見えないと不安でたまらない。平和に暮らしていたある時、帝の欲望の為に犠牲になった村や里人。そして鐵を助けたいが為に自分を犠牲にした琥珀。泣けた。琥珀が狐だった時と赤ん坊だった時の可愛さったらない。一つ一つの描写が可愛くて可愛くて。(3265)2013/04/25

フキノトウ

35
モフっとした子狐のあどけなさ可愛さにやられました。ラストも悲しいけれどyocoさんの挿し絵がとても綺麗でした。お伽噺のよう。2018/11/21

きょん

34
純愛万歳と心の中でつい叫んでしまいましたもの。キスシーンですらなくても私は満足しましたよ。もふもふ子育ての可愛らしさから一転、切なく凄惨な権力者の横暴に苦しめられる後半だけれど、それでも帝を殺さない琥珀に自然の懐の深さを見たなあ。生きながら死んでいる状態から救われた鐡は、余生孤独でも不幸せではないんだろうなあ。2013/05/11

キキハル

29
すごくよかった。お話も良く練られており、まとまりも良く、読ませるわ泣かせるわで言うことなし!何といっても狐神である琥珀が可愛らしい。頼りない毛糸玉のような仔狐のままでよかったのに。成長した琥珀の無垢な思慕が世捨て人同然の鐵の心を溶かし、父性から芽生えた愛し子への愛に戸惑うのも微笑ましい。そう急いで大きくならなくていいのよと危惧する間もなく、美しく成長する琥珀に帝の手が。帝なんて生涯呪われてしまえと罵りつつ、ほのかな希望の光が射すラストも素晴らしい。二度読み返し二人のその後の幸福を想像しにんまりとしている。2013/11/28

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