内容説明
生まれた時から病弱な杏は、転地療養に最後の望みをかけた家族と東北へ引越してきた。ある夜近所の寂れた神社で一人暮らしをする美青年・西流と出逢う。彼の正体が河童だと偶然知った杏は、酔った西流に強引に抱かれるはめに。初めての経験に戸惑いながらも、率直な西流に杏は惹かれていく。最初は冷淡だった西流も健気な杏に次第に絆されていくが、二人に残された時間は短くて…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とすたん
12
遊び人の河童(攻)と病弱な高校生(受)の純愛話。想像通りの展開と結末でしたがそれはそれで、それなりに。なんでもアリのBLワールドで河童のハードルがそんなに高いなんて!と、あとがきを興味深く読みました。2016/01/10
のんたん
10
生まれたときから病弱で普通の生活や、子どもらしい楽しみからも全く懸け離れた淋しい暮らしをしてきた健気な受け。いきなり、河童と知り合ってすぐにコトに及んでしまい驚いたが、彼の純粋さ、世間知らずな良さが、ちゃらんぽらんに暮らしていた河童を少しずつ変えていく様子に引き込まれた。後半、攻めの思い出の場所を守ろうとして、死にかけたシーンからは、涙が止まらなかった。両方の家族愛もすごく感じられて良い作品だった。2015/02/22
SAY
10
良いお話なんですが後書きで大爆笑ww河童が攻めってのも「おおおお~!」と思いましたが、またそれが遊び人ってのもww受けちゃん可愛かった~。そして受けの双子の片割れがすてきでした。攻めも双子ですがこっちのお兄ちゃんもいいなぁ~ww2013/04/07
楓
10
河童はビジュアル的にずっとNGで日の目を浴びなかったらしいのですが、BLも今や人外も出産もありな時代なので、河童なんて全然OKですよ!受けちゃんが病弱で健気なのがこれまたツボ。加納さんの書く受けちゃんはイイ子過ぎるんだけど(ここが好みの分かれるところでもある)、それでも萌えてしまいます。展開もわかっているのにやっぱり涙が・・ww ま、ある意味安心感があって買っている作家さんではある。初めてのお友達との距離感がつかめなくて必死になっている姿が可愛かった。俺様な西流のきゅうり好きなのが微笑ましい。次は兄で!2013/01/16
きょん
9
いろいろ突っ込みどころは満載だと思うのですが、それでも結構泣けた。人間と河童が過去の不幸な出来事で交流がなくなり、交流がないから相手を偏見をもって見てしまうというのは、人間同士でもあることだよなあと。思い込みや過去の歴史を一旦捨てて向き合うことが相互理解のうえで大事な事なんですね。2013/02/11