内容説明
芸術大学の職員・八幡蒼史は著名な陶芸家の母の私生児という境遇から、目立たぬように生きてきた。だが、チェコからの留学生で若き天才彫刻家のカレル・バロシュと恋に落ち、新たな生き方を模索しはじめた蒼史は、カレルとプラハへ行く決心をする。だが、ある事件が起きて…。みずから諦めたはずの恋。しかし病に蝕まれ、先の見えない体になった蒼史は一路プラハへと―。
著者等紹介
華藤えれな[カトウエレナ]
9月5日生まれ。京都市出身・在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まふぃん
15
華藤さん、お得意のヨーロッパを堪能できました。病気の進行の割りには簡単だったけど、そこはBLっていうことで。2016/11/16
りんご☆
12
読了2016/11/12
秋月
10
雑誌掲載時から凄く好きで、本が出るのを待っていた。受の思いつめ方の異常さ、その狂気を、身勝手だ、もっと思慮深かれ、話し合えば誤解も解けようとは思う。思うけれども、その異常、その狂気に呑み込まれて、胸を引き絞られるように物凄く心を揺さぶられ、涙を止められなかった。華藤さんの作品の中でもかなり気に入りの作品。一言で言えば、メロドラマですが。華藤さんはメロドラマで輝く作家だと思う。2009/08/23
きなこ
7
電子書籍。アトリエという閉鎖された空間で彫塑を作る過程から愛憎が絡みあう。蒼史が残され時間を使いカレルに尽くす姿が健気。異国情緒溢れて華藤さんらしい話だった。2014/06/01
tatsuki
7
この年下攻めは、私にしては珍しくツボに入った!!自身の未熟さを反省した経験を踏まえて、パートナーへ至れり尽くせりな配慮を示せるようになったトコロとか。囲い込むのじゃなくて、ちゃんと自立できる環境を整える恋人ってステキだなあ。創作意欲の源泉というポジションだって、最上級の“愛”の一形態でしょう。コテコテのメロドラマではありますが、えれなさんの文章には+αの魅力/魔力があるから、やはり私は大好きです。2009/08/20