内容説明
国と大手電力への批判記事。待っていた断筆要求と失職。新聞は今、脱原発の主張を遠ざけるようになっている。それでいいのか。「新聞は報道・論評の完全な自由を有する」。この原則に立ち返ったとき、未来は拓かれて行く。本書は、ある記者の闘いの記録である。
目次
第一章 事実上の断筆要求
第二章 原点の平戸支局時代
第三章 本社で再生エネ特集面づくり
第四章 ウェブ連載「あの映画 その後」
第五章 「あの映画 その後」至言録
第六章 「一声運動」とワンフレーズの警告
第七章 掲載の門戸狭まる くらし文化部時代
第八章 最後の砦、コラム「風向計」
第九章 どこかおかしい原発報道
第十章 津島ルポ あの人のその後
第十一章 新聞はジャーナリズムの担い手たり得ているか
著者等紹介
吉田昭一郎[ヨシダショウイチロウ]
1957年、熊本県生まれ。濟々黌高校、早稲田大学商学部卒業。1981年、西日本新聞社に入社し、社会部や文化部(後にくらし文化部)、整理部(後に編集センター)、宮崎、筑豊の各総局、加治木、島原、唐津、平戸の各支局に勤務。2017年12月末の定年の後、再雇用の契約社員として平戸と本社で4年間勤務する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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和
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この本には、新聞社の経営陣が株主に忖度しているために、その所属記者が記事執筆を制限され、報道活動を妨害された経緯が書かれています。ここで“新聞社”と“株主”は、それぞれ西日本新聞と九州電力です。著者は、反(脱)原発の(国民側の)立場から執筆してきたものの、出張が認められず費用が自己負担になったり、契約条件から取材/執筆が消されたり、賛同する社員を異動させるなどされ社内で孤立させられてきました。私は、この著者のように国民側に立って執筆する記者に追い風を作りたいと感じました。ひとまず本書をSNSで拡散します。2025/03/30