内容説明
梶井文学研究の集大成。いまなお、多くのファンを持つ梶井基次郎。初期習作~「檸檬」~「冬の日」~「闇の絵巻」を経て「のんきな患者」に至る各作品について、執筆過程を検証して全容を明らかにする。著者の古閑章は、梶井基次郎研究の第一人者である。
目次
第1部 本論篇―書き手研究と作品研究(方法の磁場;総説―梶井文学の展望;初期習作の世界―小説家への道;「瀬山の話」―その内実と同時代文学との連関;「檸檬」―善美の象徴;「城のある町にて」―死(病気)と生(性)のロンド
「泥濘」と「路上」―精神のぬかるみと書くことの意味
「橡の花」―小説の方法
凝視のメカニズム―「ある心の風景」「Kの昇天」「桜の樹の下には」「ある崖上の感情」
「冬の日」―青春の絶唱
「蒼穹」と「筧の話」―「闇」の現前
「冬の蝿」―運命の背中
他者意識の変容―梶井書簡を視座として
「愛撫」―生の安らぎ
「闇の絵巻」―「闇」の深化
「交尾」―視線のゆくえ
「のんきな患者」―現実への回帰
展望・その問いかけるもの―梶井文学における“推敲”の重要性)
著者等紹介
古閑章[コガアキラ]
1956年3月、熊本県生。1980年3月、熊本大学大学院文学研究科修了。鹿児島純心女子大学人間教育学部教授、鹿児島純心女子大学国際文化研究センター所長を経て現在は小説家・近代文学評論家。鹿児島純心女子大学名誉教授。博士(文学)。専門は、日本近代文学および鹿児島の近代文学。“読みの共振運動論”という文学理論。2020年9月、『古閑章著作集 第1巻 小説1 短篇集 子供の世界』(南方新社)により、第23回日本自費出版文化賞特別賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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