内容説明
日本、琉球の源流を照射する、奄美の基層文化。八月踊り、ハマウリ、シニグ祭り、シバサシ、ウミガメ捕り―。芸能、信仰から生業まで、奄美に息づく独自の基層文化の記録。奄美8島全集落調査、800枚を超える写真群。
目次
第1部 奄美の祭りと芸能(奄美八月踊りの源流と起源、成立考―奄美北部諸島に伝承する八月踊りについて;徳之島井之川のハマウリと夏目踊り―力強く美しい集団芸能の実態と特長を探る ほか)
第2部 奄美の信仰と呪術(奄美のウナリガミと東アジアの航海守護神―ヤマトの船霊信仰の源流と媽祖信仰について;奄美のアシャゲと沖縄の神アサギ―加計呂麻島や奄美大島南部の不思議な建物アシャゲの謎を解く ほか)
第3部 化粧文化対談、奄美の親族語、思い出の人(外間守善先生と化粧文化対談「トカラ・奄美・沖縄の装身文化を考える」―トカラ・ヤマト・奄美・沖縄の装身文化の多様性と特色について;奄美の親族語マモロ・ヒキ・ハロヂと南九州の親族語―奄美独特の用語マモロとは何か。沖縄、南九州の親族語を比較する ほか)
第4部 奄美諸島の民具(笠、掘り棒、石敢當、他―日本一美しいジミハサや独特の箆、珍しい九字文石敢當など、多彩な民具文化;竹細工と竹製品―美しい波状文編みのサンバラ・ティルの素形のウミディールなど、多彩で貴重な奄美の竹文化について ほか)
第5部 南島の生活と生業(請島・与路島を訪ねて―離島の中の離島、二つの島の豊かな民俗文化と生業について;奄美・トカラのサワラ漁法と漁具―美味しさ格別の大型魚サワラの捕り方と漁具について ほか)
著者等紹介
下野敏見[シモノトシミ]
1929年、鹿児島県南九州市知覧町生まれ。1954年、鹿児島大学卒業。鹿児島県内各地高校教諭をへて鹿児島大学教授、鹿児島純心女子大学教授。文学博士(筑波大学)。鹿児島民俗学会顧問、鹿児島民具学会会長、隼人文化研究会会員、日本民俗学会会員、日本民具学会会員、日本口承文芸学会会員、民俗芸能学会評議員、南島史学会評議員、奄美沖縄民間文芸学会会員。第1回柳田国男賞受賞。第52回南日本文化賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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