内容説明
戦争も末期のため軍服もなく、兵隊さんはくば笠とみのかさで石垣島の猛暑と雨風から身をまもり、草履をはいて穴のあいた飛行場をモッコの土石で修復していた。著者が自己の戦争体験をとおして、沖縄戦版画シリーズを製作し戦争の悲惨さ、平和の尊さを訴えつづけてきた。本書は、戦争版画シリーズの最終編として石垣島に題材を求めた。
著者等紹介
儀間比呂志[ギマヒロシ]
1923年、沖縄に生まれる。行動美術展、ドイツ国際版画展、東京国際ビエンナーレ展などに出展。絵本に『ふなひき太良』(毎日出版文化賞、岩崎書店)、『鉄の子カナヒル』(サンケイ児童出版文化賞・岩波書店)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆーらりや
0
儀間比呂志戦争3部作八重山編。 八重山では、戦死者よりもマラリアで死亡した人がかなり多かったようです。 戦後70年の慰霊の日に再読。2015/06/23
Y子
0
八重山での沖縄戦の様子を方言を交えながら書かれている。2013/05/13
ゆかり
0
著者の「ツルとタケシ」にて当著を知る。「ツルとタケシ」は宮古島編、著書は八重山編、そして沖縄本島編の「りゅう子の白い旗」で沖縄いくさ物語三部作(絵本)とのこと。八重山は米軍の上陸はなかったが、艦砲射撃や空爆で犠牲者が187名、マラリアでは3647名とのこと。物資乏しい戦争末期、軍服や靴の支給がないことはもちろん、医薬品も不足。戦争には何一つメリットはない。命果報(ぬちかふう):命が長らえる幸せこそは、生れた幸せ。2019/10/10