内容説明
著者は日本を代表する名門企業の常務取締役として巨額粉飾事件に遭遇し、逮捕された。しかし、粉飾に異を唱えていたことが判明、不起訴となって釈放された。その体験をもとに3年の歳月をかけて長編小説として綴ったのが本書。企業崩壊をもたらした組織的粉飾とは何かを明らかにするとともに、著者がもっとも問題にしているのが、粉飾を長年放置してきたにも拘わらず、時効の壁によって不問に付された歴代の経営者たちの責任問題である。法的告発には時効があるが、「責任に時効はない」と著者は訴えるのである。
著者等紹介
嶋田賢三郎[シマダケンザブロウ]
1946年生まれ。関西学院大学経済学部卒業。早稲田大学大学院(商学研究科)修了。鐘紡株式会社(のちにカネボウに社名変更)入社。2000年同社取締役を経て、2002年常務取締役兼常務執行役員・財務経理担当就任。2004年同社退社。1990年税理士資格取得。2002年から合繊の事業構造改革を陣頭指揮し、積年の最大懸案アクリル事業の全面撤収を果たす。さらに化粧品事業の営業譲渡など対外的責任者としてカネボウの再建に身を投ずるも、2005年7月に有価証券報告書虚偽記載の疑いで逮捕。しかし、粉飾に反対していた事実が明らかになって不起訴となる。2008年、『責任に時効なし―小説 巨額粉飾』で小説デビューを果たす(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とらきち
3
城山さんの「役員室午後三時」、山崎さんの「沈まぬ太陽」、そして本作のタイトルともなった責任の所在者は、ある意味、とてつもない怪物だったのでしょう・・・・。著者 には、是非このお方の評伝にチャレンジしてもらいたいものです2012/02/10
親父
2
非常にリアル。この書のタイトル「責任に時効なし」は著者の叫び。2009/03/07
orangewind
2
カネボウの粉飾決算のすさまじさと、経理担当者の悲哀が書かれた渾身のノンフィクション。腐食した企業内であそこまで自分を保てるというのが凄いなぁ。経理担当者必読。2009/01/05
rohi
1
会計士が小説でどう描かれるのか興味があり読みました。かつて存在した大企業の巨額粉飾事件を企業側当事者の視点で描いてます。企業経営者・社員・会計士が粉飾をどう進めてしまったか、会計の技術的な説明もしっかりあり中身の濃い物語。会計士は番人の役割を果たせなかったと描かれます。粉飾の原因は色々あれど、会計士がきちんと責任を果たしていれば問題にならなかった、日本の会計士制度に問題ありとなってます。検察の捜査に対し会計士は「粉飾は全く見抜けなかった」と悪者扱いされ作者の恨みが見れます。 ★★★☆☆(買ってもいい)2021/01/28
TK
1
う~ん、当時の経営陣を批判したい気持ちは分からんでもないけれど、悪く書いてやろうと意気込みすぎてかえってリアリティの無い話になってしまったかなぁ。素直に自分が目の当たりにしたことを淡々と書いたほうが訴えかけるものは多かったんじゃないかと思う。 2009/04/11