内容説明
病院に笑いを届ける道化師。よく、子どもたちにしかられます。よく、子どもたちに笑われます。それが僕の仕事です。道化師と小児患者が生んだ愛と涙の感動ストーリー。
目次
病院のピエロさん
もっとマジメにやりなさい
子どもの死
バルーンはおいといて
病院のできごと
道化師の苦悩
派手なメイク
クラウンK
いい握手
拍手をさせない〔ほか〕
著者等紹介
大棟耕介[オオムネコウスケ]
クラウンK。1969年、愛知県生まれ。道化師の会社“プレジャー企画”代表。養成講座を受けたことをきっかけに、会社をやめて道化師のプロに転身。遊園地や小中学校、老人ホームでショーを開くかたわら、無償で病院を訪れ、闘病中の子どもたちに笑いと希望をもたらしている。映画「パッチ・アダムス」のモデル、ハンター・アダムスとの親交も深い。2003年には道化師の世界大会“WCA”で銀メダルを受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はる
26
この著者の講演を聴き、とてもおもしろく心に響いたので借りた。笑いがあればなんでもできる。空気が変われば、病気が治らなくともその時間だけは忘れられる。元気を届けられるのだと思う。子どもに接する仕事だからこそ、いつも笑いで元気を分け合いたい。2019/08/08
村越操
21
なぜだろう。感動的な文章があるわけでもないのに、読んでいる最中涙が止まりませんでした。これは病院に笑いを届ける道化師、大棟耕介氏の日常の一コマを綴った一冊。書こうと思えばいくらでも感動エピソードがあるのに、まったくそのような文章は書かれていない。自分の心震える心情を吐露すれば、深い共感を得れるのに心のうちは明かさない。彼がどれだけ日々、感情に押しつぶされそうになっているのか、想像するだけで胸がいっぱいになりました。2013/09/14
ささ
12
友達に借りた本。病院にピエロの格好をして訪問して風船で何か作ってくれたり色々なもので子供達を楽しませてくれます。この本を貸してくれた友人は今は元気ですが重い病気を持っていて幼い頃から入院生活をしていました。そして実際にクラウンにも会って遊んでもらったそうです。本もサイン入り。長く辛い入院生活の中でこうして楽しませてくれる事は嬉しかったし、病気の事を一瞬でも忘れられたそうです。この様な活動をできる人は本当に尊敬すべき。素晴らしいです。2015/02/06
小木ハム
11
ホスピタルクラウンという仕事。パントマイムや巧みなジャグリング、派手なアクロバットをやったり、お医者さんや看護師さんを巻き込むこともある。でもそれらは、難病治療や入退院を繰り返す子どもたちと友だちになるための手段にすぎない。この仕事の本懐は、友だちを笑わせること。つらい現実を少しの間でも忘れてもらい、病気に立ち向かうきっかけを作ること。そのためならおバカな事はいくらでもやる。恥ずかしくてもやる。でも友だちが辛そうなら、無理して笑わせることはしない。「素敵な仕事」では軽い。崇高な仕事、神聖な仕事だと思う。2023/12/11
貧家ピー
6
病院、特に小児科やホスピスを回って笑いを届けるクラウン。病気に立ち向かうきっかけを作ることはできる、というのがポイントだと感じた。風船をもらって喜んでいる、和らいだ表情の女の子の写真が良い。2007/03/29