内容説明
歴史的に上流階級の男性権力の空間であったガーデンと、労働者階級の男性の肉体労働であったガーデニングの世界は、いかにしてジェンダーと人種の多様性を獲得したのか?英国園芸史における女性ガーデナーの誕生と活躍から、現代のガーデンセラピー再評価までを、豊富な視覚資料とともにたどる。
目次
1 神話の世界から一八世紀における女性、植物、ガーデン
2 一九世紀における園芸学の流行と女性
3 一九世紀における園芸学校設立と女性ガーデナーの誕生
4 一九世紀後半から二〇世紀中葉における女性とガーデン
5 ウィメンズ・ランド・アーミーと女性園芸家の活躍
6 二〇世紀後半から二一世紀における多様な女性ガーデナーたちの挑戦
著者等紹介
臼井雅美[ウスイマサミ]
1959年神戸市生まれ 博士(文学)。現在、同志社大学文学部・文学研究科教授。神戸女学院大学卒業後、同大学院修士課程修了(文学修士)、1987年ミシガン州立大学修士課程修了(M.A.)、1989年博士課程修了(Ph.D.)。ミシガン州立大学客員研究員を経て、1990年広島大学総合科学部に専任講師として赴任。同大学助教授、同志社大学文学部助教授を経て、2002年より現職。池坊副総華督、裏千家茶名宗雅(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
帽子を編みます
42
美しい装丁、本の中も美しくまとめています。英国での女性ガーデナーの歴史、女性の高等教育、専門職への参入、ジェンダーの壁、女性解放運動が関わってきます。ガーデナーは男性の仕事場でした、女性は草取り、収穫などの補助的業務のみの長い日々。それを変えるのは戦争でもあります、二つの世界大戦、人手不足の解消のため女性が活躍することになります。これはガーデナーの世界だけではありません。指導者となった女性、社交界、教育界、これも今までも目にしてきた人々、掘り下げるきっかけとなりそうです。興味深い本をでした。2025/05/11