内容説明
ジャーナリズム、イラストレーション、ピカレスク、メロドラマ―多様なジャンルを経て、独自のリアリズムへ。19世紀的都市型作家ディケンズはどのように生まれたのか?『ボズのスケッチ』から『バーナビー・ラッジ』に至る前期小説6編におけるジャンル、モチーフの変容に着目し、作家的発展の軌跡をたどる。
目次
序章 小説というジャンル
第1章 ジャーナリストから小説家へ―『ボズのスケッチ』の構成をめぐって
第2章 挿絵との交渉―『ピクウィック・ペイパーズ』における小説家の位置
第3章 境界線を引く―『オリヴァー・トゥイスト』におけるリアリズムの探求
第4章 新たな創作の形を求めて―『ニコラス・ニクルビー』におけるジャンルの変容
第5章 都市型作家の誕生―『骨董屋』に見るディケンズの自己形成
第6章 せめぎ合う言葉―『バーナビー・ラッジ』における謎の創出
第7章 現実と想像の間―ディケンズと群衆
第8章 ロンドンの胃袋―ディケンズと市場
終章 ジャーナリストから都市型作家へ
著者等紹介
新野緑[ニイノミドリ]
大阪大学大学院文学研究科英文学専攻博士後期課程中退。博士(文学)。ノートルダム清心女子大学教授、神戸市外国語大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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