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内容説明
西アフリカのムスリムたちは、文字に支えられた普遍的宗教と口頭伝承の伝える多元的な知恵との共存をどのように追求してきたのか。19世紀から20世紀初頭、ジハードと西欧諸国による植民地征服に揺れる激動の時代を生きた西アフリカの三人のムスリム知識人の生涯を、口頭伝承と文書記録から重層的に分析する。彼らの生と死の意味を問う「人類学的聖者伝」の試み。
目次
「異なる者の出会いと共存」
第1部 ジャのアルファ・ボアリ・カラベンタ 嘆願する聖者(背景;伝承;嘆願する聖者)
第2部 シンサニのカラモコ・ウスマン・ソソ 「戦争の家」のムスリム知識人(マルカ・ムスリムの文書研究の課題;状況;文書;マルカ・ムスリムの自己像)
第3部 バンジャガラのチェルノ・ボカール・サーリフ・タル 「唯一以外であり得ない神」(植民地支配とチェルノ・ボカールの生涯;資料;チェルノ・ボカールの宗教思想)
対立を担う「聖者」たち
著者等紹介
坂井信三[サカイシンゾウ]
南山大学名誉教授。専門は西アフリカの歴史人類学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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BLACK無糖好き
15
西アフリカのムスリムにおける、外来のイスラームとの出会いと在来の文化との共存について論じている。植民地支配や奴隷制など人種的に価値付けられた非対称な関係や、地域社会の非イスラームの人々との関係など、異なる者との共存について三人のムスリム知識人を取り上げ論述している。本書のアプローチとして特徴的だと思われるものは、西アフリカでの口頭伝承の文化と文字の文明の相互関係、言わば口頭伝承と文字記録とのインタラクションに注目しているところであろうか。何れにしてもかなり専門的な内容で、自分には敷居が高すぎた。2025/05/04