内容説明
ドイツのメルケル政権期とその前後におけるジェンダーに関わる法律・政策を詳細に分析。ジェンダー平等施策とその国際的な影響を考察し、デジタル化をともなったジェンダー平等の議論や国内の女性運動の要求が施策に反映された過程から、デジタル変容とジェンダー平等推進の両立の可能性を描く。デジタル空間における、自明ではないバイアスに対処し、社会的不平等を改善するための、男女間の公正性の実現および人権と民主主義の尊重に向けた展望を提示する。
目次
第1部 「普遍的価値」から雄の性格の混淆を取り除くのは可能か?―ジェンダーからみたデジタル化・AIの発展をめぐる議論:ドイツを中心に(ジェンダー平等なAI社会をデザインするには;ドイツのデジタル変容とジェンダー平等推進―ジェンダーからみたAI戦略;結論)
第2部 デジタル化は、旧来の性的役割ひいては家父長制を変容させるのか?―メルケル政権のジェンダー平等推進とデジタル化を振り返る(東西分裂の禍根―統一時からメルケル政権までのジェンダー課題の進展;メルケル政権下の男女平等報告書とドイツ初の男女平等戦略;COVID‐19がジェンダー施策に与える影響―ドイツの男女平等戦略からの分析;ICTがリプロダクティブ・ヘルス/ライツに与える影響―ドイツにおける人工妊娠中絶をめぐる法改正と女性運動の考察から;メルケルが拓いたジェンダー平等な未来―新政権の公約に盛り込まれた女性運動の要求と保守の限界;結論)
第3部 デジタル化はジェンダー平等の敵か味方か?―ポスト・メルケル時代のジェンダー平等とデジタル化への展望から(ドイツからみるデジタル化時代のジェンダー平等の課題)
デジタル化時代のジェンダー平等
著者等紹介
佐野敦子[サノアツコ]
博士(社会デザイン学)。立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科博士後期課程修了。東京大学大学院情報学環・BeyondAI推進機構B’AIグローバルフォーラム特任研究員(2023年3月現在)。元国立女性教育会館専門職員(eラーニング担当)。2018年国連女性の地位委員会(CSW62)日本代表団メンバー、Women 7 Japan 2023 Advisorを務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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