内容説明
1月17日、阪神・淡路大震災発生。3月20日、地下鉄サリン事件発生。そして9月4日、沖縄県民にとって衝撃の事件が起こる。さまざまな暴力の記憶が甦り、長年押し殺してきた“怒り”が噴出する!“怒り”を暴力として放出するのではなく、文学で昇華させることはできるのか。
目次
序章 今、「沖縄」の文学を読むということ
第1部 “一九九五年九月四日”へ至る道―浮上する暴力の記憶(補填された欲望/裂け目からの“叫び”―又吉栄喜「ギンネム屋敷」論;眼前のフェンスを“攪乱”するために―又吉栄喜「ジョージが射殺した猪」論 ほか)
第2部 「希望」が提起したもの―“一九九五年九月四日”から立ち上がる記憶・抵抗(浮上する記憶/すれ違う記憶―“一九九五・九”以後の文学における初期反応;“怒り”の連環を止める方途―目取真俊「希望」論 ほか)
第3部 他者の声で変容する聞き手―沖縄の声を聞き受けるために(被害記憶理解への欲望と違和―目取真俊「群蝶の木」論;“ノイズ”混じりの証言を聞き受けること―崎山多美「月や、あらん」論 ほか)
終章 「十年後」の「希望」を夢想して
著者等紹介
栗山雄佑[クリヤマユウスケ]
1990年大阪府生まれ。立命館大学卒業、立命館大学大学院文学研究科博士課程後期課程修了。現在、立命館大学文学研究科初任研究員。専門は、近現代日本文学・文化、「沖縄」文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。