- ホーム
- > 和書
- > 人文
- > 文化・民俗
- > 文化・民俗事情(海外)
内容説明
宗教、民族、国の違いを越えてともに祈る。西アフリカからエチオピア西部にやってきたひとりのスーフィー(イスラーム神秘主義者)が、「無償の奉仕」を通して、オロモの人々を中心に様々な民族・宗教に属する人々からカリスマ的な聖者として崇敬されるようになった過程、そしてそのカリスマ性が、次世代の人々の営みによって受け継がれていく様子を描き出した民族誌。
目次
第1部 西部オロモ社会とイスラーム(オロモの社会と宗教;ジンマ地方のイスラーム化:「商人」と学者)
第2部 カリスマの誕生:アルファキー・アフマド・ウマルの人生誌(聖者性の醸成:西アフリカからエチオピアへ;聖者性の発現:ミンコ村からクサイェ村へ;聖者性の存続に向けて)
著者等紹介
石原美奈子[イシハラミナコ]
南山大学人文学部・教授。文化人類学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
BLACK無糖好き
16
キリスト教徒が多くを占めるエチオピアでイスラーム神秘主義者のアフマド・ウマルのカリスマ性に焦点を当て、エチオピア西部社会に与えた影響を考察。禁欲的なスーフィー修行にて得た霊力を用い、宗教・民族・地位の別なく、病気や貧困、政治的弾圧に苦しむ人々に手を差し伸べ奉仕活動に献身。ただ、クルアーンとハディースを重視するイスラーム復興主義者と、スーフィー教団では聖者崇拝のあり方も含め政治的な対立もある。「共生」の概念からスーフィー教団の活動実践を描いた貴重な研究成果。◇春風社の本は紙の質感も素晴らしい。2022/06/01