内容説明
ウルフを中心としたイギリスのモダニズム小説を通して、当時のイギリスの食文化を検証。ジェンダー、身体、アダプテーションなどの視点から、食の描写の重要性を示す。『灯台へ』に登場する肉料理ブフ・アン・ドーブのレシピなど、5編のコラムも収録。
目次
モダニズム小説と食
1 ウルフの「食べ物に対するコンプレックス」(『ダロウェイ夫人』における食事療法)
2 ウルフの食の政治学(『灯台へ』の食卓の美学;『オーランド』と『自分だけの部屋』にみる食とジェンダー)
3 モダニズムの台所(ウルフと使用人の肖像;ウルフの台所;モダニズムの料理をする男たち―フォースター、ロレンス、ジョイスのテクストをめぐって)
4 感覚の世界(ジョイスにおける食とテクスト―『ユリシーズ』の「カリュプソ」をめぐって;『フラッシュ』における味覚、そして臭覚の世界)