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出版社内容情報
過去の痕跡はいかにして「文化遺産」となるのか。様々な遺跡が重層的に残るトルコの遺物をめぐる言説から、文化遺産概念を問い直す。
序章 文化財をめぐるローカルとグローバル
第1章 2種類の「トルコ人」
1 はじめに
2 トルコにおける文化遺産保護に関する法制度の歴史
3 文化遺産保護と古美術品取引に関する現在の法制
4 古美術品の国外流出の問題
5 考古学的な発見の文脈における場所の重要性
6 「発見された場所」としてのトルコ
7 「密売人」と合法な個人コレクターの対比
8 過去への「愛」を通した保護
9 文化遺産を守ることとその空間的境界
10 「発見された場所」と文化遺産の保護
第2章 トルコ人とトロイ人―文化遺産と国民国家の「国土」
1 はじめに
2 国民国家の「国土」の形成と文化遺産
3 現代トルコ・ナショナリズムとアナトリア
4 オスマン帝国社会の多文化的状況の抹消
5 トルコ人とヒッタイト人
6 「青きアナトリア」
7 トロイ人の子孫としてのトルコ人
8 均質ではない「国土」
第3章 「歴史はその場所でもっとも正しく理解される」―トルコにおける文化遺産の返還問題
1 はじめに
2 文化遺産をめぐる議論における「所有」
3 文化遺産の所有と「場所」
4 国外に流出した文化遺産の返還の取り組み
5 「クロイソス王の財宝(Karun Hazinesi)」の返還
6 ペルガモンのゼウス祭壇の返還運動
7 「休息するヘラクレス」像の結合
8 「石はそこにあるからこそ重みがある(Ta? yerinde a??rd?r)」
9 「場所」、「民族性」と文化遺産の返還
10 「発見された場所」と、文化遺産をめぐる問題の国際性
第4章 自明の理としての「保護」
1 はじめに
2 UNESCOと「文化の多様性(Cultural Diversity)」
3 UNESCOの文化観、文化遺産概念とその問題
4 文化遺産をめぐる「グローバル」と「ローカル」の対立
5 文化遺産の保護が作り出すヒエラルキー
6 自明の理としての「保護」
第5章 状況に応じた文化遺産の保護と破壊
1 はじめに
2 文化遺産概念と保護と破壊の区別
3 トルコにおける開発事業による文化遺産の破壊
4 水没寸前の遺跡からのモザイク画の発見
5 国外での報道をきっかけとしたモザイク画への関心の高まり
6 文化遺産に対する所有意識と、モザイク画の保護
7 「破壊」を展示する
8 「ジプシーの少女」とその不完全性
9 文化遺産の破壊と保護の関係
結びにかえて
田中英資[タナカエイスケ]
田中英資(たなか・えいすけ)
1975年生まれ。ケンブリッジ大学大学院社会人類学博士課程修了(PhD)。
専門は社会人類学、文化遺産研究。2011年より福岡女学院大学人文学部准教授。
内容説明
トロイ遺跡はギリシャのもの?トルコのもの?それとも人類共通の遺産?さまざまな時代と民族の遺物が重層的に残り、文化遺産の盗掘や返還の問題を抱えたトルコ。政府・研究者・メディア・コレクター・UNESCO等、遺物をめぐる国内外の主張から、“文化遺産”という概念を問い直す。
目次
序章 文化遺産をめぐるローカルとグローバル
第1章 2種類の「トルコ人」
第2章 トルコ人とトロイ人―文化遺産と国民国家の「国土」
第3章 「歴史はその場所でもっとも正しく理解される」―トルコにおける文化遺産の返還問題
第4章 自明の理としての「保護」
第5章 状況に応じた文化遺産の保護と破壊
著者等紹介
田中英資[タナカエイスケ]
1975年生まれ。ケンブリッジ大学大学院社会人類学博士課程修了(PhD)。専門は社会人類学、文化遺産研究。2011年より福岡女学院大学人文学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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崩紫サロメ
ぞだぐぁ