内容説明
クリスマスなんか祝ってなんになる!大人のためのクリスマスの物語。
著者等紹介
井原慶一郎[イハラケイイチロウ]
1969年生まれ。鹿児島大学教授。専門は英文学、表象文化論。博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
吉田あや
69
村岡花子さん訳に比べてクラシック文学の色が少し濃く、本から古い時代を嗅ぎ取ることができる本書。自分の殻に閉じこもり、心を冷え切らせた欲深で無慈悲な老人・スクルージ。亡 くなったただ一人の友人マーレイが人生の中で人を愛し、寛容に善意に満ちた人間へとなる努力をしてこなかったことへの尽きぬ悲しみをスクルージに説くことから始まる物語。過去・現在・未来のクリスマスの精霊と旅しながら、人生にとって本当に大切なことを学び受け取っていく心の旅。心に光が満ちるような幸せの本質が詰まった大切な1冊。2016/01/07
帽子を編みます
59
図書館のクリスマス特集から借りてきました。この装丁、挿し絵もいいです、訳注も丁寧です。この話、クリスマスが近づくたびに読みたくなります。過去、現在、未来、それぞれの幻影、挿し絵も助けにはなるのですがディケンズの文章が情景をくっきり描いていきます。その場での悲しみ、喜び、絶望、諸々の感情に心が動かされます。絶望を味わい祈りを捧げたスクルージ、彼の生まれ変わった姿に読者は共感することでしょう。クリスマス、この素晴らしき日に喜びとともに感謝を。クリスマス万歳。2023/11/21
リッツ
27
有名な話だし、ディズニーアニメ(ドナルドが主人公だったはず)や漫画では読んでいたが、原作はこれが初読み。イギリスの感覚や言い回しに時々困惑し注訳で意味を確かめつつ(もう少し子供向けの優しい物語だと思っていた)それでも次第にクリスマスの街の雰囲気に包まれ、あらためてクリスマスは人々の幸せを祈り祝う日なんだなぁと思った。人を助け与えることで自らも人生の喜びを取り戻した主人公、間に合ってよかった。2023/12/23
クラムボン
26
初読み…どころか、ストーリーすら知らなかった。Amazonでは《時代背景がよくわかる詳注と解説、日本初紹介となるディケンズ公認のアメリカ版挿絵25点を加えた、大人の読者のための新訳決定版! 》とあったので迷わず選択。守銭奴で一人の友も無い老人スクルージ。イブの晩に唯一の同類の友だった共同経営者のマーレイの幽霊に出会う。彼は死後7年間迷い続け心の平安が無い。私のように成らない為に三人の精霊の訪問を受けろと言うのだ。物語は面白い…のだが、キリスト教の濃密な世界観が根底に在るので、不思議に思うことも多かった。 2022/12/28
たまきら
18
豪華版が図書館にあって、娘そっちのけでオカンが熱読。この時期にはどうしても読みたくなる本で、キンドルで無料だったのをこないだ読んだところだけれど、やっぱりこのお話は手に取って、暖炉の前で読みたいところです。やっぱりクリスマスの精神を伝えずにクリスマスを楽しんではいけないよなあ。2015/12/14