内容説明
「英語」にひそむ政治性・権力性を問う。英語教育の世界的な普及が、貧困からの脱却や識字率向上に寄与していると言われる反面、格差の拡大・再生産や多様性の排除などをもたらしている実態を、アフリカやアジアを例に取り上げ、多角的かつ批判的に考察する。
目次
英語と開発
英語・開発・教育―3者の緊張関係を特定する
英語と開発の政治経済学―開発途上国における英語対国家語/ローカル言語
アフリカにおける言語政策と開発の政治的展望
バングラデシュにおける「国際開発のための言語」としての英語に対する草の根レベルの市民意識
社会・経済的開発と英語による教育・試験制度との関係―サハラ以南アフリカにおけるケース・スタディ
英語の能力は発展の鍵なのか?―コミュニケーション能力獲得を手助けする教師への支援の在り方
リンガフランカとしての英語使用による地域の「声」構築―異文化間の開発に関する談話の研究
ウガンダにおけるデジタル・リテラシー、HIV/エイズ情報と英語学習者
シンガポールにおける言語政策―シングリッシュ、国家開発、グローバリゼーション
英語、科学論文の出版、そしてグローバル知識経済への参入
経済開発における言語―英語は特別なのか、そして言語分裂は悪いことなのか
著者等紹介
アーリング,エリザベス・J.[アーリング,エリザベスJ.] [Erling,Elizabeth J.]
オープン・ユニバーシティ(英国)国際教員養成学部講師。専門は世界の諸英語(world Englishes)、言語政策、教員研修、学術を目的とした英語(EAP)
サージェント,フィリップ[サージェント,フィリップ] [Seargeant,Philip]
オープン・ユニバーシティ(英国)言語コミュニケーションセンター上級講師。専門は応用言語学
松原好次[マツバラコウジ]
元電気通信大学教授。専門は言語社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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