内容説明
何を求め人は巡礼路を歩くのか?歩くことと、それによってもたらされる周囲の諸物との物質的・感覚的な相互作用を、長期かつ長距離にわたる緻密なフィールドワークによって生き生きと描きだす。目的地にいたるまでの経験そのものに焦点をあてる、あらたな人類学の試み。
目次
序章 理論的背景と調査方法(サンティアゴ徒歩巡礼に関するフィールドワークに基づく研究;「巡礼路を歩く旅」をどう考察するか ほか)
第1章 サンティアゴ巡礼の概要(サンティアゴ巡礼路の地理的概要;サンティアゴ巡礼形成史 ほか)
第2章 巡礼者の一日(集合的性質としての慣習的行動;巡礼/観光的な行為だけでは捉えきれない周期性 ほか)
第3章 途上と目的地―苦痛と快(苦痛をともなう経験の多様性と類似性;途上へのこだわり ほか)
第4章 ウォークスケープ(地続きのランドスケープ;徒歩と路上の諸物がとりもつ関係 ほか)
第5章 遠近感とリズム(場所性と時間性;身近な人々、遠くにあるもの ほか)
第6章 ホーム(住まいつつさすらうこと;カミーノとの距離 ほか)
終章 結論にかえて(「あいだ」へのまなざし;民族誌的考察のまとめ ほか)
著者等紹介
土井清美[ドイキヨミ]
1976年、東京生まれ。早稲田大学教育学部卒業。株式会社日本交通公社勤務を経て、サセックス大学大学院修士課程修了、東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得満期退学。博士(学術)。現在、青山学院女子短期大学ほか兼任講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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