内容説明
モテない男、一世一代の大博打!「誰にも見えない男」は、愛を伝えるため、自分の存在を証明するため、英仏海峡を泳いで渡ることを決意するが…。映画界の巨匠ルコントの最新作は、ちょっとまぬけで哀しい男のずっこけ大冒険。
著者等紹介
ルコント,パトリス[ルコント,パトリス] [Leconte,Patrice]
フランスの映画監督
桑原隆行[クワハラリュウコウ]
福岡大学人文学部フランス語学科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
りつこ
28
面白かった。映像ではない小説という読者の想像に委ねる楽しさを作者が謳歌しているのが伝わってきて、読んでいる側も楽しくなってくる。だけどやっぱり映画的なんだなぁ。イルカのシーン、彼女と出会うシーン、そして最後のシーンがたまらなくカッコいい。どこでまた現実に引き戻されるの?とドキドキしながら楽しく読んだ。なかなか。2015/12/19
えふ
16
読み始めはこの本をどういう心もちで読めばよいか悩んだが、半分ほど読み進めたところで「ああ、これは阿呆の物語なのか」と気づきそこからは笑いながら読むことができた。 「ドーバー海峡を泳いで渡って彼女に告白すればOKもらえるんじゃないか」 意味がわからないと思うがこれを行ってしまう。阿呆である。 もちろん彼女との蜜月の妄想することも忘れない。阿呆であるから仕方ない。 いただいた本なのだが、お前も阿呆であり続けろと言われてるようでうれしかったです。2015/11/02
syachi
6
空気のようで存在感がまるでない主人公、美人な上司にアプローチすべく行動を開始するが…。読む側の心のせいのか、しまっているはずなのに何とも言えない脱力感を感じて面白い。2015/09/08
80000木
5
どこまでが夢空想なのかちょっと分かりづらくて読みにくかったなあ2022/09/07
Masako Yamada
3
ルコントらしい、フランスらしい物語。家族に忘れられたことが本人はさらっと受け止めているような口ぶりであるが、おそくかれを支配しているようだ。そのひとに「忘れ去られる」というシバリから抜け出して、似たようなものの集まる船の上で自分をみつける。 つねに忘れられるということは居場所がないということ、根無し草ということ、だから一言でいって、根無し草の男が自分の居場所をさがす物語。 フランスらしいというのは、そのふわっとした繊細な語り口。どこかかなしいユーモアがあった。2020/01/17
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