「女の子」という運動―ワイマール共和国末期のモダンガール

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  • サイズ B6判/ページ数 315,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784861104435
  • NDC分類 940.2
  • Cコード C0098

内容説明

第二次世界大戦前のドイツでは、OLも女学生もレヴューダンサーも、「女の子」(M¨adchen)と呼ばれていた。マスメディアの発展とともに登場した女性作家たちの作品を読み解くことで、その女性像の虚実を探る。

目次

序 「女の子」をめぐる冒険
1 ベルリンのモダンガール(ベルリンのモダンガール―女性ホワイトカラーと文学)
2 モダンガールとマスメディア(ベストセラー作家ヴィッキィ・バウムと小説『化学専攻性ヘレーネ・ヴィルフュア』;ガブリエレ・テルギットのベルリン小説『ケーゼビア、クアフュルステンダムを征服する』)
3 「モダンガール」と書くこと(「女の子」であることの可能性―イルムガルト・コインの『ギルギ―わたしたちのひとり』;モダンガールと書くこと―アニタ・ルースの『紳士はブロンドがお好き』とイルムガルト・コインの『偽絹の女の子』をめぐって;タイトルとジェンダー―『インゴルシュタット出身のマリールイーゼ・フライサーの物語』;「女の子」というメルヘン―『インゴルシュタット出身のマリールイーゼ・フライサーの一ポンドのオレンジと九つの他の物語』と作品集『悪だくみ』について;「女の子」からの脱出―マリールイーゼ・フライサーの長編小説『小麦売りのフリーダ・ガイアー』)

著者等紹介

田丸理砂[タマルリサ]
1963年生まれ。東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程満期退学。現在、フェリス女学院大学国際交流学部教授。専攻はドイツ文学、ジェンダー論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Mana

7
第一次世界大戦後の終結後からナチス政権樹立の間にわずかに成立したワイマール共和国。女性参政権の成立や、女性の社会進出も進む。残念ながら職場で女性が男性と同等とはみなされなかったり、セクシャルハラスメントといった問題はあったけど。本書はワイマール共和国時代に活躍した主要な女性作家たちの作品を通して当時の女性たちの状況を教えてくれる。とても面白いし、彼女たちがナチス政権下で筆を折らざるをえなかったのは残念。2019/05/29

あらき

0
知らないことばかりで面白いし、紹介されてるワイマール帝国時代の〝女の子たち〟の小説や詩、映画にも興味を抱いたんだけど、論理が破綻したり飛躍するところが多々あった。30年代頃に映画を比較的自由に観られる立場という意味で相当イレギュラーな環境にあったであろう川喜多かしこが作品を気に入ったということや、ヒットしたというだけで観客の男女比や当時の女学生たちのエス文化には全然触れず「少女観を日本とドイツの女性が共有」と言い切っていいのか?それは全く同じ文脈理解と見做していいのか?2020/03/14

あごみ

0
1920~30年代にかけてのドイツ文学における、女性作家たちが書いた「女の子」をテーマにした作品に光を当てた研究。伝統的な女性像とは異なった、大衆社会の中に進出していく「新しい女性」のイメージを文学に探っていく。ドイツ文学史ではほとんど取り上げられない作品が分析の対象となっていて、とても新鮮。同時に、そこで扱われるテーマがほとんどそのまま今の日本の女性にも当てはまるようなものばかりで衝撃。対象となる作品には邦訳が出ているものもあるみたいなのでぜひ読みたい。そんな読書欲を掻き立ててくれる好著。

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