内容説明
「徳川の平和」に開花。女児の成長、結婚、出産を予祝する。内裏装束の一対の男女は、結婚の理想の姿―永遠の幸福の憧憬となった。紙雛にはじまり土雛に及ぶ、女たちが紡ぎ出した幸福の宇宙がここにある。
目次
第1章 雛節供(三月三日の節供;雛節供の登場)
第2章 「ひひな」の登場(『九暦』に見られる生育儀礼;「ひひな」の変遷;「ひとがた」の由来;「ひひな」と「ひとがた」をつなぐ「あまがつ」)
第3章 雛の誕生(徳川時代以前の動向;徳川時代の雛を伴う節供;徳川和子による雛節供;婚礼調度としての雛と雛道具)
第4章 結婚の時代(結婚と出産;出産の呪術性;雛段ににぎわい;女性の病い)
第5章 雛の近代・雛の現代(雛の近代;雛の現代)
著者等紹介
皆川美恵子[ミナカワミエコ]
1949年東京生まれ。1973年お茶の水女子大学文教育学部教育学科卒業。1975年お茶の水女子大学大学院人文科学研究科修士課程修了。1985年お茶の水女子大学大学院人間文化研究科博士課程単位取得退学/同大学院人間文化研究科助手。1987年十文字学園女子短期大学専任講師。1996年十文字学園女子大学創設にともない大学へ移動。その後、助教授、教授を経て、十文字学園女子大学人間生活学部児童教育学科教授、博士(人文科学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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らむだ
4
第一章 三月三日の雛節供の始まりを資料から読み解く。第二章 藤原師輔の日記『九暦』を中心に様々な資料で確認できる「ひひな」の変遷を辿り、最後に『九暦』にも登場した「ひひな」「ひとがた」「あまがつ」の違いや来歴を示す。第三章 徳川時代に成立したと見られる雛を伴う節供の様子や、徳川時代以前の雛に纏わる動向を追う。第四章 結婚・出産と深く関わる「雛」「あまがつ」や、女性の病いに関連する淡島信仰と流し雛についての考察。第五章 近代から現代にまで連綿と続く雛の文化をまとめ、締められている。2022/10/04