内容説明
ロラン・バルト以後の「作者」とは何か?『百年の孤独』に深い影響を与えた『アラビアン・ナイト』、ヘミングウェイの身体性が抜きがたく刻み込まれた『ニック・アダムズ物語』、時空を越えた幽霊としての作者を示した丸谷才一『輝く日の宮』など、8つの視点から「作者」を探究する。
目次
第1章 『アラビアン・ナイト』―「作者の死」とシェヘラザードの語り
第2章 ヒエロニモの沈黙―『スペインの悲劇』における作者と権力
第3章 模倣と剽窃の異国ロマンス―アメリカ・ジャポニスム小説と「作者」
第4章 夏目漱石が現代批評に与える「生きたもの」―『こころ』における主体と倫理
第5章 メタフィクション「大きな二つの心臓のある川」を書いたのは誰か?―ヘミングウェイと「作者」の身体
第6章 リチャード・ライト『ブラック・ボーイ』が語る「作者」像
第7章 ジェフリー・ダーマーを描くことはできるのか?―ジョイス・キャロル・オーツの『生ける屍』における作者観
第8章 「作者」という幽霊、「読者」という未来―丸谷才一『輝く日の宮』の作者観
著者等紹介
ソーントン不破直子[ソーントンフワナオコ]
1943年生まれ。日本女子大学文学部英文学科卒。米国インディアナ大学にて比較文学の修士号と博士号を取得。日本女子大学文学部英文学科教授を経て、同大学名誉教授
内山加奈枝[ウチヤマカナエ]
1973年生まれ。2001年に米国コロンビア大学にて英文学の修士号、2005年に日本女子大学にて博士号(文学)を取得。現在、日本女子大学文学部英文学科講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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