内容説明
塔に囚われた姫、邪悪な巨眼の魔王、白鳥にされたきょうだい、知恵の鮭、島の支配をかけた神々の壮大な闘争。ファンタジーの永遠の源泉「ケルト神話」を、やさしく語り聞かせる。
目次
第1部 神話ものがたり(モイテューラの戦い;リールの子どもたち)
第2部 アルスターものがたり(クーフリンの誕生;ブリックルーの宴会;悲しみのディアドラ)
第3部 フィニアンものがたり(フィンと知恵の鮭;魔法にかけられた鹿;オシーンと不老不死の楽園)
著者等紹介
河口和子[カワグチカズコ]
愛知淑徳大学大学院文学研究科英文学専攻博士後期課程にて現代アイルランド劇を研究。現在、愛知学院大学非常勤講師
河合利江[カワイリエ]
愛知淑徳大学大学院文学研究科英文学専攻博士後期課程にて現代アイルランド詩を研究。現在、愛知工業大学非常勤講師
大野光子[オオノミツコ]
名古屋大学大学院文学研究科英文学専攻修士課程修了。文学博士。愛知淑徳大学教授(イギリス・アイルランド文化・文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Takayuki Oohashi
16
北欧神話のノルンの話を書いている僕ですが、ある知人からあの神話は使い古されていると聞いて、ではケルト神話はどうなんだろう、と思って図書館から借りた本です。非常に訳が分かりやすく的確で、古のアイルランドの伝承物語が伝わってきました。あと、全体的に物語の中身もどこか悲しげで、キリスト教文化の物語よりも異教的でした。キャラクター的には英雄のクーフリンとフィンが印象に残りました。何か日本の昔話を彷彿とさせる物語群でした。2016/05/09
ぱせり
6
英雄であるための条件は、敷居が高いなあ。武勇だけではなく、詩を吟ずる才能が重んじられたことなど。人の運命を縛る呪詛の言葉など、言霊に似ておもしろい。表紙の意匠の中心にある結び目の模様はどんな意味があるのだろう。知りたいな。2009/03/17
dumpty
4
「リールの子どもたち」が好きな私は、やっぱり悲劇好き(笑)。浦島伝説のような話は、全世界本当にどこにでもある。ケルト&アイルランドが本当に好きな人が作った本・・というのが伝わってくる気持ちの良い本でした。2009/04/08
杏子
4
ケルト神話を子どもも大人も楽しめるように抜粋してある。固有名詞の日本語表記がちょっと違うものもあったけど、懐かしい世界。 これを読んでケルト神話に興味を持った人はいろんなのを読んでみるといいでしょう。私もまた読みたくなりました。 ケルトっぽい挿し絵がとても雰囲気いいです!2009/03/12
uka
3
アイルランドの英雄譚。口頭伝承されるものがたりを文章化しているので一番普遍的な内容なんだろうと思った。 クーフリンやフィンなど英雄は皆養育は実母ではなかったのが興味深い。河合先生の本で知ってはいたが、ヨーロッパの西の果てにあるアイルランドと東の果てにある日本でオシーンのような浦島太郎を髣髴とさせる話があることは面白い。それこそ人間の根底にある普遍的な無意識を感じる。 そしてまた、不老不死の楽園といわれるのは「地下」の王国なのだ・・・。西欧は大体において「天国」であるのに。アイルランドに行ってみたいなあ。2014/10/07




