内容説明
言語や社会性の発達を促すにはどうすればいいのか。積極的にやるべきこと、やってはいけないこと、配慮すべきこと…。45年にわたり臨床現場で発達障害の子どもたちをみてきた著者がそのすべてを語る。
目次
第1章 広汎性発達障害について(診断について;人は学習によって人になる。しかし教育はセレクトしかしてこなかった ほか)
第2章 応用行動分析の登場(どうして行動療法は悪評まみれだったのか?;応用行動分析(ABA)とは? ほか)
第3章 フリーオペラント法実施への補足(徹底的な甘やかし;わがままが酷い例 ほか)
第4章 不適応行動への対応(他傷行動、暴力行為;自傷行動 ほか)
第5章 発達障害児をめぐる諸問題(医師の診断について;発達検査について ほか)
著者等紹介
佐久間徹[サクマトオル]
1935年、北海道生まれ。関西学院大学文学部心理学科卒。同大学大学院満期退学。梅花女子大学教授、関西福祉科学大学教授を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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れい
6
養育者の「諦め」という悲しい作業を、別の作業で「諦めずに努力していく」という、希望の灯ともある意味苦行とも言える世界観を与えてくれる。現代の主流にアンチテーゼを掲げる人がいてもいいではないかと思う。一つの手法だけが絶対ではない。そもそも原因が不明なのだから。百年後にはまた違ったことが言われているに違いない、この問題・課題に一石を投じる本。2014/09/18
ひろか
4
あの久野能弘氏の同級生だという著者。かなり個性的な一冊。個性的過ぎて呆れる箇所もないわけではないが、著者の『遺言』みたいなものという読み手の大らかさも必要かも。2013/08/17
さなごん
2
参考にしてるブロガーさんの記事から読んでみた。目から鱗。二学期やってみたいが、周囲と共通理解できるかな。2013/08/16
YASU
1
いわゆる自閉症児への応用行動分析という,未だあまり一般には知れ渡っていない療法分野の専門家による解説書.なるべく専門用語を用いず,わかりやすくという姿勢で書かれているし,自閉症児のみならず広く教育・子育てへの言及もあり,良書だと思う.2022/07/28
トウリン
0
今現在採用されているTEACCHやABAとはちょっと違うアプローチ、という感じ。理論よりも経験則重視な印象。やや、自閉症児たちに対して楽観的……かな? 愛情・愛着重視、という感じです。45年の経験のある筆者の言なので重みは確かにあるのだけれど、実際にやってみるのは、ちょっと身構えてしまうかな。2014/12/05