目次
1 視覚過程(偽陰性残像を生じる幻色視の催眠誘導;考察:Hiblerの発表論文「催眠誘導による幻色視の陰性残像について」に関する批評 ほか)
2 聴覚過程(催眠聾に関する臨床的および実験的所見の研究:1.臨床実験とその結果;催眠聾に関する臨床的および実験的結果の研究:2.条件反応の技法を用いた実験結果 ほか)
3 心理生理学的過程(精神身体現象の催眠学的研究:実験催眠で学ぶ心身相関;心身症現象の催眠学的研究:催眠によって誘発された健忘から生じる失語症様反応の発生 ほか)
4 時間歪曲(催眠における時間歪曲;時間歪曲の臨床的・治療的適用 ほか)
5 研究についての問題(臨床的および実験的トランス:トランス状態を生じるための催眠訓練と時間;実験催眠と臨床催眠:同じ現象なのか違う現象なのか? ほか)
著者等紹介
羽白誠[ハシロマコト]
1962年生まれ。1986年大阪大学医学部医学科卒業。1991年大阪大学大学院医学研究科博士課程修了。現職、大阪警察病院皮膚科部長。日本皮膚科学会専門医、日本心身医学会指導医、日本心療内科学会登録医、日本心身医学会皮膚科担当特別委員。日本臨床催眠学会理事ほか。専門、皮膚科心身医学
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感想・レビュー
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KEI°
1
この論文集は、催眠の可能性を科学的に追求したものだが、それよりも随所から感じ取れるのは、エリクソンの姿勢である。催眠技法や仮説、理論に拘泥することなく、常にクライアントに正面から向き合い、クライアントの健康を力強く追求する姿には、ある種のヒロイズムすら感じてしまう。催眠を、オカルト的世界から、科学の分野に持ち込むには、彼のようなパワフルな天才を必要としたのだろう。2011/09/25
笹帽子
0
なんだこれは。やっぱりエリクソン先生は天才やったんや……。まずこれらの論文(の一部)がかつてはサイエンスの舞台にのっかっていたということが興味深い。もう一つすごいと思ったのが、なんか無駄に説得力があること。どう考えてもサイエンスじゃないことについても、なんか知らないけど説得されている。この論文自体が既に……という感じ。あと時間歪曲で何でも20秒解決シリーズが笑った。2011/04/29