内容説明
“ヨーロッパの縮図”マルタ島で、1565年に繰り広げられた「地中海の長篠城」ともいうべき史上最大の攻防戦。イスラム教徒とキリスト教徒の苛烈なる戦いをリアルに紙上に再現する。
著者等紹介
井原裕司[イハラヒロシ]
1948年11月、大阪に生まれる。1972年3月、京都大学文学部卒業。戦記雑誌「丸」に執筆(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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人生ゴルディアス
2
マルタ騎士団がロードス島からマルタ島に移住したことは知っていたが、レパントの海戦の前にオスマンと再度戦っていたとは知らなかった。本書あとがきにもあったが、他の歴史書でこの話題を見た覚えがない。本書は歴史学者の本ではないが、訳や注のおかげもあって、この手の本にありがちなもやもや感はなかった。驚くべきは、本書中の当時の人物たちの台詞はすべて典拠ありだということ。日記を記していた人たちの功績のようだ。最後は二時間映画みたいな終わり方だけれど、史実! 戦術によるところも大のようで、素晴らしい一大戦記物でした。2019/06/28
ひなた
2
★5 ロードス島を追われた聖ヨハネ騎士団のその後。少数の騎士団が最盛期のオスマントルコと戦い、奇跡の勝利を収めた。酸鼻を極めた戦闘の行方が詳細に綴られる。騎士団だけではないマルタ側人員の構成や当時の武器、砦の構造等の説明もおもしろい。また、この攻防戦を特に興味深いものにしているのは、その地形だ。首都バレッタの東に広がる複雑な湾の形は独特で、天然の要塞というありふれた言葉で表すのは申し訳ないほどだ。この立地故に展開される攻防のあれこれは、この本の読みどころ。ガイドブック片手に楽しむのがおすすめ。2015/07/03
春風
2
ロードス島の戦いから43年後、マルタ島に拠点を定めたヨハネ騎士団にふたたびオスマントルコの大艦隊が襲いかかる。なぜか塩野七生が描かなかった激戦を描く血湧き肉躍るノンフィクション。原文のせいか訳のせいか読みづらいのが難点だけど、書かれている内容はめっぽう面白い。2013/02/18
Yasuyasu
1
オスマントルコを相手に少数のマルタ騎士団が戦い抜いた凄まじい戦記物。 めちゃくちゃ面白かった。
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- 和書
- 未遂犯と実行の着手