按針と家康―将軍に仕えたあるイギリス人の生涯

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  • サイズ B6判/ページ数 269,/高さ 19cm
  • 商品コード 9784861030369
  • NDC分類 289.3
  • Cコード C0023

出版社内容情報

日蘭・日英関係の橋渡しとなったイギリス人ウイリアム・アダムスの数奇な人生を追う。ヨーロッパと日本の貿易がどのようないきさつで展開されていったかなど、一イギリス人の見た家康時代の日本も映し出される・・・。

まえがき
第1章 誕生から日本への出発まで 一五六四~一五九八年
第2章 イギリス出発から日本到着まで 一五九八~一六〇〇年
第3章 日本上陸 一六〇〇年四月一九日
第4章 危機に瀕した国
第5章 日本人はどのような人々であったか
第6章 日本・ポルトガル・スペインとの貿易とローマ法王
第7章 カトリック教徒とプロテスタント教徒
第8章 ウィリアム・アダムズ、家康に呼ばれる
第9章 ウィリアム・アダムズは船大工となり、結婚する
第10章 ウィリアム・アダムズ、サムライとなる
第11章 ウィリアム・アダムズとカトリック宣教師
第12章 時が過ぎ、郷愁がつのる
第13章 オランダ人がパタニにやってきた
第14章 ウィリアム・アダムズ、オランダ人と協力する
第15章 ウィリアム・アダムズとスペイン
第16章 ウィリアム・アダムズ、再度オランダ人と協力する
第17章 アダムズと家康 スペインとカトリック教徒との関係
第18章 ウィリアム・アダムズと日本でのイギリス貿易
第19章 日本におけるイギリスの貿易本拠地
第20章 日英関係のさらなる発展
第21章 ウィリアム・アダムズと東インド会社の関係
第22章 日本におけるイギリス人時代の終わり
第23章 ウィリアム・アダムズの遺書と死
第24章 ウィリアム・アダムズの記念碑

ウィリアム・アダムズと家康の最初の出会いに戻ろう。(略)これは両者にとって、強烈な体験であった。(略)
「私は王の船の舵手の一人に案内され、王の住む大坂城に着いた。そこは私たちの船が座礁した場所から二四〇マイルほど離れていた。一六〇〇年五月一二日、私は大きな王宮に着いた。舵手は私を城の中に案内した。それはすばらしく立派な屋敷で、あふれるばかりの金で装飾されていた。
私が王の前に立つと、王は私をじっと見つめた。彼は不思議なほど好意的に見えた。彼はいろいろなしぐさをしたが、大部分はわからなかった。ついに、ポルトガル語を話せる人が来て、彼を通して王は私がどの国から来たのか、このような遠い国に来た動機は何かを尋ねた。
私はわが国の名を答え、わが国が長い間、東インドへの道を探してきたこと、貿易の機会を得るために、すべての王と君主との友好を望んでいることを述べた。わが国は外国がもっていない種々の品物をもっており、またわが国がもっていない外国の品物を購入することを望んでいるからであるとも述べた。
それから、彼はわが国が戦争をしているかと尋ねたので、『はい、スペインやポルトガルとは戦争していますが、その他のすべての国々とは平和です』と答えた。
それから彼は、私が何を信仰しているかと尋ねた。私は『天と地を創造した神を信じています』と答えた。彼はその他に、さまざまな宗教的な質問をした。
また、どの道を通って日本に来たのかとも尋ねられた。私は世界地図をもっていたので、それを見せながら、マゼラン海峡を通って来たのだと答えた。彼はこれに驚いて、私がうそをついているのだと思ったようだ。
二人であれやこれやと話しあって、私は真夜中まで王のところにいた。彼は、とりわけ、船の中に何があるかを尋ねてきた。私は彼に船の全積荷のリストを見せた。
最後に、私は帰る準備をしながら、『私たちは、スペイン人やポルトガル人と同じように、王と品物を交換することはできないでしょうか』と尋ねた。彼はそれに答えたが、何と答えたかは、私にはわからなかった。それから私は牢獄に入るよう命じられた。しかし、一〇日後、私に使いが来て、わが国の特徴・状態、戦争と平和、あらゆる種類の動物や家畜、天国について尋ねられた。彼は、多くの、ときには細かい質問に対する私の返事に、十分に満足しているように見えた。それにもかかわらず、私はふたたび牢獄に入るように命じられた。しかし、今度の部屋は前よりずっとよかった」


亡命中のイギリス人、将軍への助言者、偉大なエゴイストなど様々な顔をもつ「青い目のサムライ」を解き明かします。

内容説明

漂流の末に日本にたどり着き、徳川家康の外交顧問となって江戸時代の礎を築いたイギリス人、ウィリアム・アダムズ(三浦按針)の数奇なる生涯を追う決定版伝記。

目次

誕生から日本への出発まで(一五六四~一五九八年)
イギリス出発から日本到着まで(一五九八~一六〇〇年)
日本上陸(一六〇〇年四月一九日)
危機に瀕した国
日本人はどのような人々であったか
日本・ポルトガル・スペイン間の貿易とローマ法王
カトリック教徒とプロテスタント教徒
ウィリアム・アダムズ、家康に呼ばれる
ウィリアム・アダムズは船大工となり、結婚する
ウィリアム・アダムズ、サムライとなる〔ほか〕

著者等紹介

プロム,クラウス・モンク[プロム,クラウスモンク][Plum,Claus Munk]
デンマーク・コペンハーゲン在住の医師(血液学専攻)・日本文化研究家。2002年没

幡井勉[ハタイベン]
1918年大阪生まれ。医学博士。東邦大学名誉教授。アーユルヴェーダ(インド伝承医学)研究および治療の第一人者。東洋伝承医学研究所所長。ハタイ・クリニック院長

下宮忠雄[シモミヤタダオ]
1935年東京生まれ。学習院大学名誉教授。ゲルマン語学・比較言語学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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