内容説明
商売下手の甚兵衛さんはある日、古くて汚い太鼓を仕入れてきました。これを見たおかみさんは仕方なしに店に並べ、あまりに汚いので丁稚にハタキをかけさせました。その時手が滑って太鼓をならしてしまうと、一人の侍が店に入って来て…。
著者等紹介
川端誠[カワバタマコト]
1952年生まれ。シリーズごとにテーマや表現技法をかえ、多様な世界を展開している。絵本ライブや講演を続け、また絵本解説にも定評がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パフちゃん@かのん変更
47
古くて汚い太鼓が思わぬ高値で売れて大喜びの夫婦。半鐘とかおじゃんは子どもには難しいかもしれません。2017/04/02
美紀ちゃん
42
どんな落ち?と、いつも予想しながら読みますが、そう来たか!!ふむふむ。では、始めの半鐘をならす、1ページ目のあのくだりを、丁寧に強調して読んでおかないと、落ちでちゃんと笑ってもらえない。読み聞かせをするときには注意だね。2012/10/01
ヒラP@ehon.gohon
34
ふるぎたない太鼓が思わぬ大金で売れるお話です。 あまりに意外な展開に、登場人物の心持ちも、考えても不思議な感覚に見えてきました。 火事が多かった江戸だからこそのお話でした。 落語調子で読み聞かせしてみたいですね。2021/07/21
Totsuka Yoshihide
32
川端誠氏の落語絵本シリーズ14作目。読み聞かせで使用。導入部分で裏表紙の「火焔太鼓」を提示してから読み聞かせをスタート。「火事」「半鐘」「おジャン」に触れつつ読むことで最後のオチに自然と繋がって、子どもたちも笑ってくれた。道具屋・甚兵衛さんが仕入れてきた古くて汚い「太鼓」を殿様がお買い上げになる話。道具屋夫妻の会話のリズム感が素晴らしい。小判を50両づつ受け取る時の夫婦それぞれのリアクションや表情に子どもたちも大爆笑。個人的には内田麟太郎の詩が映り込んでいてシリーズの繋がりを感じて好きです。2023/09/17
陽子
24
噺家さんの語りを聴いているような言葉の流れ。「しっかり女房にだめ親父」というのが落語の相場とは知らなかった。古道具屋の親父さんが微々たるお金で仕入れてきた太鼓の音がお殿様に留まり、信じられない展開になっていくのだが、目の前でどんどん小判を積まれて、表情が変化していく親父さんの姿がとってもユーモラスで笑えた。楽しい。人間って、あまりにも驚きすぎると泣くのを通り越して脱力して笑ってしまうのかもしれない。落ちは解説を読んで、音との結び付きがわかり、ははーん、そうか!だった。2019/11/07