感想・レビュー
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京唐紙の老舗、唐長の京唐紙デザイン集。唐紙とは、かつての中国からの輸入紙。遣唐使がなくなり、自国で生産がはじまった。はじめは歌や写経に使いっていたが、貴族の間で襖や天井などでも使われるようになり、生産量が増え、庶民にも使われるようになる。見ると「公家好み」「寺社好み」「茶方好み」「武家と町屋好み」と分かれているのにも時代の変遷を感じる。図案が抽象化されて、刷りによる霞もあるため、工業製品よりも身近に感じる。色や形に意味があったりでややこしいが、図案だけみているのは楽しい。日本デザインの刷り込みでもある。2024/08/25