目次
研究の目的と方法
近畿内帯山地と丹後山地の自然環境と集落の立地動向
廃村化過程の3類型と丹後半島東部山地における廃村化の形態
丹後半島西部山地の廃村化の形態
駒倉と木子の立地環境と集落形態の特徴
駒倉と木子の文化的特性の比較
駒倉と木子の行政的な所属関係と交通路・通学区・通婚圏の変遷
駒倉と木子の生活・生産基盤の共有形態とその整備・管理負担の比較
集落規模と生業構造の比較
経済的な階層構造の推移
社会構造の特色
挙家離村過程と廃村化
木子での準廃村化後の地域開発計画の展開
鈴鹿山地と丹波山地における廃村化過程と自治体行政の関与についての比較検討
廃村研究に携わって得られた仮説的知見の整理
著者等紹介
坂口慶治[サカグチケイジ]
1937年大阪市生まれ。立命館大学大学院文学研究科博士課程満期退学。理学博士(筑波大学)。京都教育大学名誉教授。同大学附属環境教育実践センター長。平安女学院大学副学長・龍谷大学文学部特任教授・びわこ成蹊スポーツ大学特別招聘教授。日本地理学会・人文地理学会合同大会準備委員長。歴史地理学会功労賞受賞。廃村研究の他に、自然地理・地理教育・歴史地理・政治地理・地誌・地名関連の論著がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬参仟縁
55
坂口名誉教授のライフワーク。550頁に及ぶ大著。坂口先生は、終章にて、集落の潰廃をもって村落の廃絶と定義される(463頁)。集落移動(移設)、廃村(集落の消滅)もあるが、宅地転位であっても、経営中心地の移動で文化的景観に変化が生じ、集団離村型廃村と扱う、など、詳説が専門書の専門書たるゆえんを感じさせた。欧州の廃村事例もあるが、日本の耕地荒廃と宅地荒廃の発現機構(474頁~)の節もある。第4節の過疎論で、一卵性双生児論、社会福祉問題と捉える認識論、ムラ社会の形骸化とする社会評価論、過疎化西風論、人口行政論、2023/03/15