内容説明
ロバ車が走り、駱駝が鐘を鳴らしタクラマカンを横断したかつての西域は、すさまじい勢いで変貌している。その一方で、現代に生きるウイグルの老人たちは、憂いの中にも優しいまなざしを見せ、こどもたちは純粋に笑っている。そして、数多くの文化遺産は、人間の生活など知らぬように、往時のまま炎熱の砂漠に佇んでいる。激しく変貌する現代から、いにしえのシルクロードを旅する。
目次
第1章 西域(敦煌;ハミ;トルファン;コルラ;クチャ;タリム盆地;ホータン;カシュガル;ウルムチ)
第2章 いにしえより現代まで変貌する西域(中国6大石窟;西域の食文化とひとびと)
感想・レビュー
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紀ノ川
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『西域』がどんな地域なのか知りたくて手に取る。とにかく壮大!陸地、空、山、川、砂漠。野生の馬に、羊。初めて地球に降り立った人はこういう景色を始めに見てたのか?と『大地』に驚きだった。あと、特に惹かれたのは、ホータンって土地。上質な玉の産地で、『玉の道』と呼ばれるほど交易品として繁盛したこと。桑の樹皮から作られた紙はウイグル族の伝統工芸品。玄奘三蔵が書き記した話に、桑も蚕も元々ホータンには無かったから、中国の王女と結婚して中国から種をこっそり帽子に忍ばせて持って来てもらったと。政略結婚だけど可愛いエピソード2023/06/25
さたん・さたーん・さーたん
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先人の仏教信仰の跡を辿り綴られる文にも砂漠の炎熱が感じられる。最後に土地の食文化に触れられたのがうれしい。2016/01/18