強迫 くもりのち晴れときどき雨

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  • サイズ B6判/ページ数 289p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784860954376
  • NDC分類 493.74
  • Cコード C0095

出版社内容情報

●目次(版元ドットコムより)
第1章 当事者と家族が語る
私の中の強迫 梨本恵里子
重度の強迫性障害からの回復ー行動療法、森田療法、認知行動療法の治療を経て 川村和人
辛くて苦労したけれど、治って良かった 川島由希子
ステキな強迫人になってほしい 八島麻美子
病から得た新しい生き方 鶴田英規
強迫と、うつと 川村裕孝
僕の「病気じゃない」と思える瞬間 日比谷康広
ありのままの私で、嘘のない世界に 順子

強迫性障害をもつこどもたちを知っていますかーおしゃべり交流会「ぼちぼち会」に参加して

第2章 強迫をどうとらえ、どう生きるのか
患者の「こうなりたい」を目指す行動療法 飯倉康郎
森田療法で考える「病からの回復」とは 北西憲二
なぜ心の病になるのか1ー社会心理学の見地から 丹野義彦
なぜ心の病になるのか2ー進化医学からの視点 長谷川寿一
こんな自分でも、「ま、いっか」ー摂食障害を克服した長谷川あやさんの体験
強迫をかかえてでも、生きていこう

●本書より(版元ドットコムより)
「強迫性障害(Obsessive-Compulsive disorder略してOCD)ですね」
私が初めてその病名を聞き、自分がその病気であると医師から診断されたのは、2002年2月のことだった。
「それはどういう……?」
私は女性医師に問い返した。
「つまり、あなたの今の状態。『誰かに殺されるのではないか』という気持ちが繰り返し起こり、玄関や窓の鍵を何度も確認してしまうわけでしょう。それは強迫性障害の中の確認強迫にあたります」
女性医師は、カルテにペンを走らせながら淡々と答えた。
自分のこの症状が、ちゃんと病名として存在していることに驚いた。こんな“ヘンなこと”をしているのは私ぐらいだと思っていたから。
症状は3か月前から続いている。
家の中に一歩入ると、「殺人者が家に入ってくるのではないか」という恐怖から抜けられない。

本書の取材は、私自身が病気を背負えずに悪戦苦闘している中からはじまった。この8年間、心の病をかかえる当事者やそのご家族に私が出会った人数は、おそらく100人に達するだろう。
発病して一歩も動けずに固まっていた状態から、外に出て人と会話できるまで回復した人と話していると、治療法よりも、その人なりの生き方が見えてくる。
日常生活を送れない部分をどのように回復させるのか、あるいは病気とどのように折り合いをつけるのか。再発が起きたらどうするか、病気によって変わったまわりとの人間関係を新たにどうきずいていくか、そして強迫性障害という病気をかかえてどのように生きていくか。それは単なる病からの回復を超えた、各々の「生きる」を模索することにつながっていく。治療者が介入したとしても、最後は自分自身との病気との向き合い方に戻ってくるのだ。
私自身は、病の自分を認められない時期を含め、長い時間をかけて「治った」自分を目指して歩いてきた。しかし、歩いても歩いても、私が目指す地点には到達できなかった。なぜなのか。
そして、「治る」とはどういうことだろう・

私を含めた8名の、強迫性障害とともに歩んだ人生をここに記したい。今、これを読んでいる方が強迫性障害の病にかかっているのなら、この本を読み終えた時に、自分なりの「治る」を見つけられるようにと、願う。

内容説明

強迫性障害である著者が取材を通して辿り着いた「完治」とは―病を含めた、ありのままの自分を受け入れること。強迫性障害とともに生きる8名の人生。専門家へのインタビューも収録。

目次

第1章 当事者と家族が語る(私の中の強迫;重度の強迫性障害からの回復―行動療法、森田療法、認知行動療法の治療を経て;辛くて苦労したけれど、治って良かった;ステキな強迫人になってほしい;病から得た新しい生き方 ほか)
第2章 強迫をどうとらえ、どう生きるか(患者の「こうなりたい」を目指す行動療法;森田療法で考える「病からの回復」とは;なぜ心の病気になるのか1―社会心理学の見地から;なぜ心の病気になるのか2―進化医学からの視点;こんな自分でも、「ま、いっか」―摂食障害を克服した長谷川あやさんの体験 ほか)

著者等紹介

梨本恵里子[ナシモトエリコ]
本名・笹井恵里子。立命館大学文学部中退後、編集プロダクションに勤務。2002年、フリーランスのライターとして独立(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。