内容説明
第二次大戦終戦直後、英米仏ソに分割支配されたベルリン。その混乱のさなか、ドイツ人の美女のみを襲う、連続猟奇殺人事件が起こる。義肢をはめた警部ディートリヒは、米軍の障害に怯むことなく、真犯人を追い詰めていく。リアリズムを追求し、負の歴史と対峙したドイツミステリ。
著者等紹介
フライ,ピエール[フライ,ピエール][Frei,Pierre]
1930年生まれ。ベルリンに育つ。16歳で最初の短編を出版。その後新聞やラジオのルポを書いて学費を稼ぐ。23歳で初の長編小説Pernod w¨achst nicht auf B¨aumenを出版。その後フリーの記者として、ローマ、カイロ、ニューヨーク、ロンドンなどに駐在。1990年以来南フランス在住
浅井晶子[アサイショウコ]
1973年生まれ。京都大学大学院博士課程指導認定退学。2003年マックス・ダウテンダイ翻訳賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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かわのふゆき
1
表紙とタイトルに惑わされてはならない。骨太のヒューマンドラマだった。第二次大戦後のベルリンで偏狂的な殺人鬼の歯牙にかかった五人の女性たち。死ぬ間際に脳裏に映し出される走馬燈のように、殺人のシーンと相前後してそれぞれの女性の半生が克明に描かれる。各シーンで、犯人につながる伏線や、横糸の繋がりがあり、大枠は推理小説かもしれないが、犯人の心理や動機はさほど重要視されていない。個人的には、ダウン症の息子を救うヘルガと、娼婦のマレーネの話に心打たれた。2010/03/31
tm
0
第2次世界大戦を生きたドイツの女性たちの物語。彼女たちは辛い経験をしてるんだけど希望も持っている。ハイディとベンのエピソードを読み終えると、やっぱ、女性は弱いけれど強いんだよね、と希望を持てる。また、戦時下のドイツの日常も興味深かった。下にも書かれているけれど、ジャケットとタイトルがもう少し良かったら、もっと読まれる本なんだろうけどね。でも、これはこれで良いような気もしてる。2010/04/25
慧
0
★★1/22010/02/04




