内容説明
逃亡―迫りくるマインドコントロール、半世紀にわたる陰謀「銀の民」は地平線の彼方へ発つ。問題は何が見えるかではない。見る目をもっているかどうかだ。銀の感覚は誰の中にもまどろんでいる。事実が空想を呼び、空想が事実を招く。イーザウは密林のファンタジー、陰謀のファンタジー、古代のファンタジーを、9.11テロという歴史的事実とうまく絡み合わせた作品。
著者等紹介
イーザウ,ラルフ[イーザウ,ラルフ][Isau,Ralf]
1956年ベルリン生まれのファンタジー作家。ミヒャエル・エンデの目にとまり、作家デビューした
酒寄進一[サカヨリシンイチ]
1958年生まれ。和光大学表現学部教授。児童文学を中心に現代ドイツの文学の翻訳紹介をしている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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珂音
11
サラーフ、凄い。南米の密林奥深くに生きてたこの男、僅かな間に英語をマスターし、文明社会にもなじんでしまった。この本、ロマンス成分は濃いものの、それはハリウッド映画における「どんな映画にもとりあえずロマンスは入れとけ」程度の扱いで、基本はSFの入ったアクションアドベンチャーです。主人公のジェリーにもっと感情移入できれば良かったんですが、この人にどうにもなじめず。主人公が嫌いな割りに一気読みできてしまったのはサラーフとストーリーが良かったからですね。2010/08/23
アヤネ
5
逃亡―迫りくるマインドコントロール、半世紀にわたる陰謀「銀の民」は地平線の彼方へ発つ。問題は何が見えるかではない。見る目をもっているかどうかだ(Amazonより)。。。この「見る目・・」のフレーズいいなぁ。西欧・米を背景に、現在と過去が語られ、古代遺跡なども登場してきて(多少こじつけ感はあるが)、盛り沢山なお話で面白かった。他作品も読んでみようかなぁ。ファンタジー「映像の世紀」と言われている長編「暁の円卓」がちょっと気になる。2016/05/04
かねかね
3
いやぁ、広げた風呂敷をよく畳めたなぁといった感じでした(^^ゞ さすがイザーウと言うべきでしょう。これを読んだら「ネシャン・サーガ」を読み返したくなった。2012/07/03
ワッピー
3
軍需産業関係者が狙っていたのは、実は・・というややありきたりなどんでん返しとか、人に影響を及ぼすことがどこまでいいのかという、線引きのあいまいさ、「君が私のそばで萎れていくのに耐えられない」という不発に終わった伏線はありますが、楽しみました。 主人公が幼少時のトラウマを抜け出し、人を受け入れ、愛するという回復を主テーマにしていますが、感情移入するにはキャラクターが強すぎて銀の感覚が(ワッピーには)届かなかったかも。2011/10/10
markuna
1
アメリカの過去と現在、そして、伝説の古代文明とのつながり。 長編ですが、一気によめる。2019/06/10