内容説明
法と戯れるミステリ史上初の悪徳弁護士登場。法の抜け道を探り、罪人を助ける弁護士―ランドルフ・メイスン。知識と知性を勝ち得た男に死角はないのか?出版当時、社会に大きな波紋を投げ掛けた問題短篇小説。
著者等紹介
ポースト,メルヴィル・デイヴィスン[ポースト,メルヴィルデイヴィスン][Post,Melville Davisson]
1896~1930。米国ウェスト・ヴァージニア州生まれ。弁護士としての経験を生かし、出版した短編集『ランドルフ・メイスンと7つの罪(原題:The Strange Schemes of Randolph Mason)』が大ヒット。特に同書に収められた「罪体」では、それに酷似した犯罪が多発し、法改正まで至った
高橋朱美[タカハシアケミ]
清泉女子大学人文科学研究科言語文化専攻修士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ニミッツクラス
23
08年(平成20年)の税抜2000円の単行本初版。長崎出版の海外ミステリGem Collection(全16巻)の一冊。7短編収録で、オビには“法と戯れるミステリ史上初の悪徳弁護士登場”とある。SFなら“宇宙一あこぎな商人タフ”のタフの方舟シリーズ2巻があるが、その弁護士版みたいなノリ。法の抜け穴だから同じネタは2度と使えないけど、専門的(弁護士)知識(判例)の説得力は充分。「ウッドフォードの…」は共同出資の盲点を突くもので、騙された方の個人的損害はさすがに気の毒過ぎる。そろそろ文庫化すべき。★★★★★☆2025/04/29
紅はこべ
11
常識的に見て有罪としか思えない所業を、法律を利用して無罪に導くランドルフ・メイスン。同じ姓でありながら、ペリイ・メイスンとは正反対。2009/01/23
エチゴヤ
5
弁護士の主人公が法律の隙間をくぐり、犯罪は成立しないけど道義的には完全にアウトな方法を依頼人に次々指南。著者経歴を読んでえっ、アブナー伯父と同じ人が書いたの!?とびっくりしました。なので表紙はポップでしたが、馬車で出かけるくらい古い時代のアメリカ。当時マネする人が出て法改正に至ったものもあるそうです。この本の目玉、肝心かなめのネタである抜けるための法律の条文は今とは全然違うのでしょうが・・・これが数十年前くらいだと古くさ〜く感じるかもしれませんが、レトロ過ぎて遠い昔の物語のようで、逆に違和感なく読めました2014/03/01
nightowl
4
漫画「法律の抜け穴」の元祖とも言える一冊。米の法律創成期にはこんなことがあったのかと興味深く読める。一編一編も短く、隙間時間に丁度良かった。肝心の最も有名な「罪体」はシエラ=ネバ"グ"山脈、セント・クレア"譲"といった誤植が目立ちどうにも乗り切れず。発表は1896年とのことで、登場人物たちのキャラクターを更に濃くしたのがアントニー・ギルバートのクルック弁護士シリーズ?なんて思ったり(初登場長編は1936年)。2017/04/06
ホームズ
3
主人公が悪徳弁護士っていうのが少し受け付けなかった。2008/06/09