内容説明
蒐集家ペンローズの行方が途絶えた。依頼を受けたソーンダイク博士は、着実に事実を積み重ね、真実へと近づいていく。「ホームズのライヴァルたち」―ソーンダイク博士の手法が冴えわたる傑作。
著者等紹介
フリーマン,R.オースティン[フリーマン,R.オースティン][Freeman,R.Austin]
1862‐1943。英国生まれ。ミステリの世界に初めて本格的な科学捜査や法医学を取り入れ、読者に対するフェアプレイの精神をもって「謎解き」を吟味させるという「本格推理小説」の作品群を世に出す
美藤健哉[ビトウタケヤ]
1973年札幌市生まれ。出版社勤務のかたわら翻訳を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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たち
17
行方不明のペンローズ氏はいったい何処へ行ったのか?ソーンダイク博士が、事実と推測で事件を追う過程がじっくりと味わえます。博士の執事というより、友人のようなポルトンの存在が最強です。2017/02/27
本木英朗
11
英国の本格ミステリ作家、オースティン・フリーマンの長編第作品の一つが、これである。俺は2007年に一度読んだっきりだったので、2回目となる。さすがフリーマンである。俺は今回(おそらく前回も)、全く分からなかったけれど、ソーンダイク博士の手法が冴えわたる傑作として、非常に面白かったよ、うん。次は10年以内だろうか、うふふ。2019/10/01
内島菫
7
今回は倒叙法ではなく、通常通り犯人は秘匿されたまま話が進むが、最後にどんでん返しが2〜3回ある。「何を喋ろうと、本当の意味は別のところにある」という人物だった被害者にあわせて、「本当の意味」がずらされた事柄の積み重ねのような事件という話のつくりが興味深い。ソーンダイクの、ことさらに隠す身振りはないが、細心の注意を払って自分の本意が目立たないように振る舞い、さらに観察される立場になったときは問題と無関係の行動で観察者を混乱させるという態度は、本当に自分のやりたいことをやるための大事なポイントだ。2025/04/22
ホームズ
6
再読(笑)やはりソーンダイク博士って地味(笑)肩書きとかは派手なのに(笑)前半のロックハート氏の語りは少し退屈でしたが後半のジャーヴィズの語りになってくると(笑)事件の関係者にボルトンも含まれ始めるとかなり(笑)ソーンダイク博士のシリーズはかなり多く出版されているようですが翻訳されているのは少ないですね。もっと多くの古典作品を読んでみたいですね(笑)マニアックでちょっと無理でしょうけど(笑)2011/03/20
ext3
4
事件の調査とかを一々手順を踏んで一つ一つやっていく辺りがなんか凄いリアリティがある。古墳の調査するのにわざわざ学芸員徴集してやらせるとか/どうでもいいけど、発言にいちいち有名な作品の言葉を引用するのって嫌われるんだな。イギリスとかの古い小説に出てくる奴って大抵そういう事してるからイギリスじゃデフォルトだと思ってたわ2008/04/19