内容説明
法では裁けぬ悪人に鉄槌を下す四人の男たち。狙いを定めたのは英国外務大臣だった。ロンドン警視庁の威信をかけた包囲網に果敢に挑むが…最初のベストセラーとなったウォーレスの記念すべき第一作。
著者等紹介
ウォーレス,エドガー[ウォーレス,エドガー][Wallace,Edgar]
1875‐1932。英国生まれ。27年間に150冊の小説を書いたベストセラー作家
宮崎ひとみ[ミヤザキヒトミ]
青山学院女子短期大学、埼玉大学教育学部卒業。埼玉県入間市で育ち、現在札幌市在住。インターカレッジ札幌にて翻訳を学ぶ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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遥かなる想い
98
1905年に刊行されたミステリーの古典である。 法では裁けぬ悪人に鉄槌を下そうとする 四人を描く。動機も正体も不明のまま 決行日が近づく。まるで緊張感を感じないのは、 乾いた文体が 創る雰囲気のせいなのだろう… 正義の四人に全く共感を覚えず、 登場人物の誰もが間が抜けている印象の 遠い昔のミステリーだった。 2022/08/20
セウテス
76
〔再読〕作者エドガー・ウォーレス氏は「キングコング」の作者という事で、中学の時代に期待して読んだ作品。しかし、何故ガーディアン必読1000冊なのか、今もって全く理解出来ない作品のひとつ。正義の四人と名告る男たちが、市民のためにならない悪法を成立させようとする外務大臣を、暗殺する物語。読み物としては読みやすく、スリリングな展開を演出してはいるのだが、ハッキリ言ってテロではないのか。肝心の外務大臣が悪の枢軸とは思えない上に、四人に都合良すぎな展開にはうんざりする。こんなのは正義ではない、という例題だろうか。2018/06/19
NAO
71
書かれたのは1905年というから、かなり古い話だ。当時、ウォーレンスは、スリラー作家として知られていたという。法律で裁けない悪を処罰するという点では、必殺仕事人のようなものだが、必殺仕事人ほどのハラハラ感はない。ロンドン警視庁の警視の顔そっくりに変装して大臣に会いに来るというところなどは江戸川乱歩の怪人二十面相のようでもあるが、どこか間が抜けている。百年前には、読者をハラハラさせたという作品。だが、今読むと、なんだかドタバタ喜劇のようだ。2019/04/10
星落秋風五丈原
30
【ガーディアン必読1000冊】アンチヒーローです、という断り書きはあった。だから必殺仕事人みたいなものかな、とも。 しかし彼等はテロリストじゃないか?彼等は。法案がとんでもない悪法ならば“悪徳大臣”のレッテルも貼れるのだが、外国人逃亡犯罪人引渡法案自体はさほど悪くも思えない。特定の人物を捕えさせないために法案通過を阻むというならば、捕まっては困る人をどこかに移動すればいい話だったのでは。かなり論理に飛躍があるように思われる。 2020/09/02
gakusi
4
テロリストたちに都合が良すぎてちっともわくわくしません。こんな何も考えてなさそうな犯罪者がどうして捕まらないのか謎。ターゲットが別段悪人に見えないのは意図通りなんだろうか。2008/10/16