内容説明
風の盆、おわら節は胡弓。その音色にひかれて、謎を訪ねる旅は始まった。みなもとは、遠く時空を超えて、戦国時代の琉球、日本から、中国、中世ヨーロッパにたどりつく。楽器からみる東西文化交流史。
目次
第1章 一本刀土俵入
第2章 越中八尾
第3章 胡弓と胡琴
第4章 胡弓・三味線の謎
第5章 三味線の誕生
第6章 クーチョー
第7章 キリシタンの音楽
第8章 「らへいか」から胡弓へ
著者等紹介
横田庄一郎[ヨコタショウイチロウ]
1947年生まれ。評論家。早稲田大学大学院政治学研究科修士課程修了。著書に『キリシタンと西洋音楽』(ミュージック・ペンクラブ賞受賞、朔北社)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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へくとぱすかる
68
胡弓は中国の楽器ではない。日本の楽器だが、その形には驚く。小型の三味線にチェロの脚? が付き、何と、弓で弾くのである。富山県・越中八尾の風の盆、越中おわら節の楽器として知られているものの、一般にはマイナーな存在。この不思議な楽器がどこから来たのか、琉球・中国・中世ヨーロッパを視野に入れて、論考は一気にグローバル、かつヒストリカルに展開する。いわゆる「純邦楽」が実は……という、すごくラジカルな結論さえ出てきてしまうのである。読んだ後は、長い大旅行をした気分。いつの日にか、本当に風の盆を鑑賞したいと思った。2020/02/10
Kanako Kawamura
2
子どもの頃から、音色を聞いたこともないくせにロマンを感じていた胡弓。メジャーじゃないものが好きっていう性格は筋金入りだな…。 二胡を弾き始めて、当然これが胡弓の源流だと思い込んでたけど、そうじゃないらしい。この本の説ではヴァイオリンの原型の楽器らしい。言われてみれば、南蛮文化の名残は今もたくさんあるはずなのに、なんとなくそこにルーツを求めるのはタブーになってる気がする。歴史は勝者が作るもの。 いつか胡弓も弾いてみたいなぁ。2016/02/20
長老みさわ/dutch
1
越中八尾で演奏される日本の「胡弓」。しかし巷で流行しているのは中国の「胡弓」はたしてこの二つの胡弓の関係はどうなっているのか?胡弓の日本伝来のルーツを探り、琉球・堺・薩摩そして中国、ポルトガル・・・主に文献と現地フィールドワークによって胡弓と三味線のルーツを探る。2009/07/09